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第13回朝日杯一次予選、村田智弘六段戦

荒木アマ

どうも、あらきっぺです。

昨日、第13回朝日杯一次予選三回戦の対局に臨みましたが、既報の通り敗退となりました。

 

客観的な目線で見れば、アマチュア選手はどこで負けても不思議ではないので順当な結果という見方もできますが、やっぱり負けると悔しいものですね。

 

作戦はどうしようか色々と考えましたが、最終的には先後に関わらず、雁木で戦うことに決めました。序盤はこちらが想定していた局面になり、後手番としては不満無しという展開を作ることが出来ました。

 

駒組みが飽和点に達したあと、村田六段は千日手辞さずという姿勢を取ってきました。正直、千日手にするかどうかは悩んだのですが、先手番になるよりも、この将棋を打開したほうがより勝算が高いと踏んで、果敢に仕掛けて行くことに。この選択に後悔はないのですが、思っていたよりもリードが奪えなかったことは誤算でしたね。

 

ただ、そういった難しい状況から大崩れせず、丁寧に相手の攻めを受け続けていると、徐々に形勢が好転していくのを感じました。(第1図)

 

荒木アマ

(便宜上先後逆にしております)

ここは相手の攻めが一段落した場面なので、手の選択肢が広い局面です。実際、様々な手が浮かんで候補手が絞り切れなかったのですが、本譜の△7六香はピントが外れており、罪の重い一手でした。

感想戦では△1八飛なら明快に負けと村田六段に指摘され、確かにその通りだと納得しました。これは▲3三角と放り込まれる手が怖いのですが、△3一玉▲4四角成が詰めろにならないので△4八飛成で後手の一手勝ちです。

ただ、△1八飛は全く見えていなかった手なので、これは指せなくても仕方ないなとは思いました。

 

荒木アマ

それよりも自分が残念だったなと思うところは、ここで△2一桂が指せなかったことです。実は△2一桂は第一感だったのですが、▲5三角△4一飛▲7五角成という変化を嫌ってしまいました。ただ、それは△7一香▲7四歩△2七角成で攻め駒を一掃しに行けば受け切り勝ちが濃厚だったので、問題なかったですね。当初の予定を貫けなかったところだけは悔いが残ります。

 

技術的な話をすると、私はこのような複数の勝ち筋がある状況に直面すると、逆に迷ってしまって上手く正解を捉え切れないという弱点があるのですが、ちょっとそれが顔を出してしまったみたいです。

その弱点を自覚してからは、なるべく攻めて勝つプランを採ることを心掛けるようにしており、それも△2一桂を見送った理由の一つでもありました。とはいえ、△7六香という攻め方はお粗末でしたね。これが今の自分の実力です。

 

好局を落としてしまったなぁ…という実感があったので、終局後は悔しさと切なさと淋しさと情けなさが入り混じった感情が渦巻いていたのですが、棋士室でまったり過ごしたり、こちらの催しに参加したり、

将棋bar ルゥク様にお邪魔したりして楽しい空気に触れている内に、かなりスッキリした気持ちにはなりました。お付き合いしてくださった方々には、改めてお礼申し上げます。

 

今回、こうして朝日杯に出場させて頂いた訳ですが、対局室に入ったときのプロ棋戦特有の緊張感はなかなか心地良いものでした。また、自分よりも格上の相手に挑むので普段よりも勉強量を増やしたのですが、そうして将棋に打ち込んでいると、改めてその魅力や奥深さに気付けたことは思わぬ収穫でした。準備期間を含めて、密度の濃い時間が過ごせたように思います。

 

またこういった機会を掴めるように、今後も邁進していきたいですね。ご愛読、ありがとうございました!



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