どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。優位を維持することが目的でしたね。
（Ａ）▲３五歩
（Ｂ）▲９六歩
（Ｃ）▲７七桂
（Ｄ）▲３八金
▲３五歩が悪手でした。
解説
まずは、何故この手が悪手なのかを説明します。
（Ａ）の▲３五歩は、３筋を争点にしようという意図です。しかし、後手に△４二銀と備えられると、本当に攻めることが出来るのでしょうか？（第１図）
ここから▲３四歩△同歩▲６六角で飛車を狙っても、△４四角で効果は今一つです。（Ａ図）
また、△４四角を牽制するなら単に▲６六角と打つのですが、これには△３六角が厄介な切り返しになります。（第２図）
桂取りの一点狙いですが、それが思いのほか防ぎにくいですね。桂に紐を付けるなら▲８五飛しかありませんが、△２四飛→△４四歩という要領で桂を詰まされてしまうので、先手の攻めは頓挫しています。
話を整理すると、▲３五歩と突いても後手陣の攻略には結び付きません。ゆえに、この手は悪手なのです。
他の手について
上記の失敗例から読み取れるように、先手は３筋の歩を伸ばすと、かえって４五の桂が不安定になります。したがって、そこには触らないほうが吉と言えるでしょう。
有力な手はいくつかありますが、最もスマートな手は（Ｃ）の▲７七桂はですね。（第３図）
これはシンプルに▲６五桂が狙いです。その後は▲８三歩△７二金▲３五角という要領で中央に殺到していけば良いでしょう。後手は４五の桂に働き掛ける術がないので、対処のしようがありません。
他に、（Ｂ）の▲９六歩も着実な一手です。後手は△４二銀が一案ですが、さなら▲９五歩で端歩を伸ばしましょう。（第４図）
次は▲９四歩△同歩▲９二歩△同香▲５六角が狙いです。後手は８筋が凹んでいる弊害を突かれており、これも対処が難しいですね。
最後に、（Ｄ）の▲３八金を解説します。（第５図）
これは△３七角と打たれる手をケアした丁寧な一着です。ここからの攻め筋としては、やはり▲７七桂→▲６五桂が楽しみですね。これも後手は４五の桂を取りに行く方法が見当たらないので、先手良しと言えるでしょう。
問題図では４五の桂が狙われない状態を維持することが急所でした。▲３五歩はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.8.25）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を適切な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲４六歩
（Ｂ）▲４八銀
（Ｃ）▲５八金
（Ｄ）▲６七金
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
