どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。形勢の悪化を防ぐことが目的でしたね。
（Ａ）▲７四歩
（Ｂ）▲４七銀
（Ｃ）▲４四角
（Ｄ）▲２三飛成
▲７四歩と▲４四角と▲２三飛成が悪手でした。
解説
まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。
問題図から（Ｄ）の▲２三飛成は、竜を作るので自然な一手に見えるところですが、飛車の横利きが消えるので自陣の守備力が落ちてしまう点が気懸かりです。具体的には△７六銀がうるさい攻めですね。（第１図）
（１）▲４四角は、△４八歩。
（２）▲８八角は、△５九銀。（Ａ図）
どちらも防戦に追い込まれています。この変化は、２三の竜が攻めにも受けにも働かない中途半端な駒なので先手は自ら遊び駒を作っているようなところがあり、それが不本意なところですね。
他に、（Ｃ）の▲４四角も馬を作りに行くので悪手ではなさそうですが、これには△５九銀が嫌らしい一手になります。（第２図）
▲５八金には△４八歩で桂を取りに来られる手が厄介ですね。
このように、４筋の歩を取ると後手の攻撃力を増強させてしまうので先手は面白くありません。
最後に、（Ａ）の▲７四歩ですが、この手は結論から述べると利敵行為になってしまいます。理由は後述します。
話を整理すると、▲２三飛成では飛車が遊び駒になってしまい、▲４四角や▲７四歩はお手伝いになってしまいます。ゆえに、これらの手は悪手なのです。
他の手について
上記の失敗例を踏まえると、先手は△７六銀や△５九銀といった攻め筋を警戒しなければいけません。また、先手陣はお世辞にも堅いとは言えない格好なので、もう少し耐久性を高めておく必要があります。
（Ｂ）の▲４七銀が、その問題点を改善する最適な一手になります。（第３図）
これに対して△２四角と引くのは▲２一飛で手を渡しておきましょう。今度は△７六銀と打たれても▲５五角が味の良い切り返しなので、問題ありません。（Ｂ図）
よって、▲４七銀には△６四角と引いて▲５五角を出させないようにするほうが勝りますが、▲６五歩△７五角▲７六歩△８四角▲４一飛と進めておけば、先手は懸案の△７六銀を消すことが出来るので、自陣の安全度を向上することに成功しました。（第４図）
次は▲１一香成→▲８六香が期待の攻めになりますね。ここで△６六銀と打たれても▲８八角と引いておけば簡単には潰れません。
第４図は戦いが長引けば先手が駒得になっていくので、こちらに楽しみが多い局面と言えるでしょう。
ちなみに、問題図から▲７四歩△同歩の利かしを入れてから▲４七銀と引くと、△７三角という余地を与えるので先手は思わしくありません。手番を握りながら７六の地点をケア出来ていないからです。これは第４図よりも先手が損をしていますね。（Ｃ図）
問題図では３六の銀が受けに使えていなかったので、この駒を活用することが急所でした。▲７四歩や▲４四角や▲２三飛成はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.8.24）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を適切な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲３五歩
（Ｂ）▲９六歩
（Ｃ）▲７七桂
（Ｄ）▲３八金
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
