どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。形勢の悪化を防ぐことが目的でしたね。
（Ａ）▲２四歩
（Ｂ）▲５七歩
（Ｃ）▲３四角
（Ｄ）▲６五角
▲２四歩が悪手でした。
解説
まずは、なぜ（Ａ）の▲２四歩が悪手なのかを説明します。
この手は２筋の突破を狙ったものですが、後手に無視されてしまうと一手の価値が無いので形勢を損ねます。具体的には、△３九角が厳しいですね。
△３九角に対して（１）▲２七飛は△３八銀で飛車が捕まってしまうので、（２）▲３八飛は仕方がありませんが、△８四角成で手を渡されると先手は指す手に困っています。（第１図）
次は△２六飛や△４九銀が痛いですね。それらを同時に防ぐには▲２八飛しかありませんが、△３九馬と突っ込まれるので無意味な手に終わります。
このように、先手は飛車を３八に移動させられ、△２六飛と回る筋を見せられることが最悪な展開なので、それだけは回避しなければいけません。ゆえに、▲２四歩は悪手なのです。
他の手について
上記の失敗例を踏まえると、先手は無抵抗に△３九角を打たせてはいけないことが分かります。（Ｃ）の▲３四角は、その余裕を与えさせない意味ですね。
後手は△５四飛と引くくらいですが、▲２三角成で桂取りに馬を作れば後手はなかなか忙しい局面になります。（第２図）
もし、△３九角と打たれても▲２六飛と浮けるので、後手の攻めは空振りです。
第２図では△２七歩と叩かれる手が嫌味ですが、▲１八飛で辛抱しておけば満更でもありません。（Ａ図）
次に、問題図から（Ｄ）の▲６五角の話をします。これには△５五飛が妥当ですが、▲３二角成が味の良い一手になります。（第３図）
今度は２三の歩が盤上に残っているので、△２七歩と叩かれる心配がありませんね。これは第２図の上位互換とも言える局面でしょう。
最後に、（Ｄ）の▲５七歩を解説します。
（１）△７六飛は、▲７七香。
（２）△５四飛は、▲３二角。
（３）△５五飛は、▲４四角△２五飛▲２六香。（Ｂ図）
いずれも、後手は飛車が目標にされており不満が残ります。
したがって、▲５七歩には△３九角と踏み込んでくるのが最強の応手ですが、▲５六歩△２八角成▲３四角で攻め合いを挑むのが明るい発想になります。（第５図）
これは次に▲５二角成△同金▲３二飛を狙っています。かなり強引な攻め方ですが、先手は攻め駒を四枚確保していることと、後手の馬が遊んでいる間に決着をつけたいので、理に適った方針になっています。
第５図は、先手が攻め切るか、美濃囲いの耐久力が勝るかと言う勝負で難解ですね。
問題図では後手の飛車を追うことが急所でした。▲２四歩はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.4.13）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を有利な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲４八飛
（Ｂ）▲９七角
（Ｃ）▲５六歩
（Ｄ）▲６五歩
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
