どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「攻防手」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。なるべく、答えが一通りになるように局面を編集しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。優位を維持することが目的でしたね。
８筋に飛車を打っておく手が正解でした！
解説
問題図は、先手が駒得していますが、後手は豊富に手駒を持っているので、ただ受けに回る姿勢では得策と言えません。
すなわち、ここで▲７八玉と早逃げしても、△５八成桂で事態は好転しません。先手は何かしら、攻めないといけないのです。
例えば、▲６五桂はどうでしょうか。これは、▲５三飛以下の詰めろですね。
しかし、それを指すと、△５八銀▲７八玉△６七銀成▲同飛△同角成▲同玉△６八金で、先手玉はトン死します。（第１図）
（１）▲同玉は、△５八飛▲６七玉△５七金▲７七玉△８八飛成。
（２）▲５七玉は、△５八飛▲４六玉△５六飛成。（Ａ図）
（３）▲７七玉は、△８七金▲同銀△同歩成▲同玉△７八銀。（Ｂ図）
いずれも、先手玉は詰んでしまいます。
改めて、問題図に戻ります。
このように、先手玉には詰めろが掛かっているので、無鉄砲に攻める訳にはいかないのです。
つまり、問題図では自玉の詰めろを解除しながら攻める手が求められており、それが▲８三飛なのです！（解答図）
これは△５二玉と引くくらいですが、そこで▲６四角成が安全を確保するクレバーな一手です。（第２図）
ここで先程と同じように△５八銀▲７八玉△６七銀成▲同飛△同角成▲同玉△６八金と迫られても、今度は▲７七玉で詰みを回避しています。（第３図）
△８七金と打ち込まれても、▲同銀△同歩成▲同玉で不詰めです。Ｂ図との違いは一目瞭然ですね。（Ｃ図）
改めて、▲６四角成の局面に戻ります。（第２図）
後手玉はまだ詰めろでは無いので、寄せを目指したいのは山々ですが、現状では金駒を渡せないですし、次に▲５三馬△４一玉▲８一飛成で合駒を使わされる手も警戒しなければいけません。要するに、制約が多すぎて攻めることが出来ないのです。
したがって、第２図では△６二金と受けるのが妥当ですが、▲６五桂△６三歩▲８六馬が、「金駒を渡せない状況を維持する」好手順になります。（第４図）
後手は本音を言えば△５八金（銀）と攻めたいのですが、そうすると５三に打たれる攻めが発生するので、利敵行為になってしまいます。
かと言って、△４二金と受けるようでは、▲８二飛成や▲７三桂成でジリ貧でしょう。
第４図は、先手玉がすぐには寄らなくなっているので、長期戦が確定しています。そうなると、駒得で戦力の多い先手に分がある将棋ですね。
問題図では、後手が金駒を渡せない状況を作ることが急所でした。ゆえに、▲８三飛→▲６四角成という組み合わせが最適な手になるという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.1.3）
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
目的： 勝勢に持ち込む。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
