どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。優位を維持するが目的でしたね。
（Ａ）▲６九金
（Ｂ）▲４二銀
（Ｃ）▲６九銀
（Ｄ）▲８八銀
▲６九金と▲４二銀と▲６九銀が悪手でした。
解説
まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。
（Ｂ）の▲４二銀は攻め合いで勝機を見出す意味ですね。確かに、これで良ければ話は早いのですが、△５八馬▲同金引△９七角という豪打を放たれ先手は飛び上がることになります。（第１図）
この角を取ると△７九金から詰まされてしまうのは言うまでもないですね。▲６六歩で通気口を作っても、△７九角成▲６七玉△８九馬で困っています。
また、ここで▲３二歩成△同歩▲３三桂成と攻め掛かる手もありますが、△同桂▲同銀左上成△２一玉であと一歩が足りません。（Ａ図）
このように、先手は問題図から攻め合いを挑む姿勢では勝てないので、何かしら受けに回る必要があります。（Ｃ）の▲６九銀は最も頑丈な受けですが、△２六馬で催促されるとどうでしょうか。（第２図）
４四の銀を助けるには▲５三銀成とするくらいですが、いかにも頼りないですね。△３九竜でさらに催促され、先手が勝てない将棋でしょう。
これを踏まえると、先手は攻撃力を低下させない受けが要求されています。（Ａ）の▲６九金はそれを満たした一着ですが、△７五歩が厄介な攻めになるのです。（第３図）
取り込みを許す訳にはいかないので▲７五同歩は妥当ですが、△７六歩▲同銀△７七歩が痛打です。以下、▲同桂△８九角▲６八玉△２六馬で流れるような後手の攻めが決まりました。（第４図）
４四の銀取りと、△６九竜▲同玉△７八金からの詰めろが同時には受かりません。
この変化は、後手の攻めを受け切れていないので▲６九金と指した一手が無益になっています。これでは金を引いた価値が無いですね。
話を整理すると、▲６九金や▲６九銀では弊害を抱える受け方になり、▲４二銀では攻め合い負け。ゆえに、これらの手は悪手なのです。
他の手について
上記の失敗例を踏まえると、先手は囲いの強度を維持しながら攻めが切れない受け方を求められていることが分かります。（Ｄ）の▲８八銀は、その条件を満たす唯一無二の一着ですね。（第５図）
今度は△７五歩を突かれても当たりが弱いので、▲４二銀△７六歩▲４一銀不成と斬り合ってしまえば問題ありません。
先手としては、△１九竜▲４二銀△７七香という攻め筋が怖いのですが、強気に▲同銀と取ってしまいましょう。以下、△５八馬に▲６九香がしっかりした受けになります。（第６図）
後手は馬を逃げている余裕はないので、△５七馬▲同金△３六角と迫ってきますが、▲５八角がピッタリの応接。これで先手は一手の余裕を作り出すことが出来るのです。（第７図）
△同角成▲同金と進めば、先手玉には詰めろが掛かりません。対して、後手玉は▲４一銀不成が▲３二歩成△同歩▲３三角からの詰めろになるので一手勝ちです。
他には△２八竜と引く手も考えられますが、▲４一銀成で金を取れば良いでしょう。以下、△５八角成▲同金△同竜には▲６八金で先手玉は安泰です。（Ｂ図）
このように、（Ｄ）の▲８八銀を選ぶことで、先手は優位を維持することが出来ました。
問題図では、銀を手放さずに△７五歩と△７九金という二つの攻め筋をケアすることが急所でした。▲６九金や▲６九銀や▲４二銀はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.4.26）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を有利な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲２五飛
（Ｂ）▲４四角
（Ｃ）▲１五桂
（Ｄ）▲２四歩
目的： 形勢の悪化を防ぐ。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
