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毎日次の一手(2019.8.18)

毎日次の一手

 

どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。

今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。

 

注意事項

 

・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。

 

・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。

 

「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。

 

昨日の解答

 

それでは、答え合わせです。形勢の悪化を防ぐことが目的でしたね。

 

相穴熊

選択肢

(A)▲2四歩
(B)▲5五歩
(C)▲6五歩
(D)▲8五歩

(A)と(B)と(C)です!

 

相穴熊

 

相穴熊

 

相穴熊

▲2四歩と▲5五歩と▲6五歩が悪手でした。


解説

 

まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。

 

相穴熊

まず、ここで一番やってはいけない手は(C)の▲6五歩です。これは△6五同銀でスムーズに相手の銀を良いポジションに進軍させるので先手に利点がありません。

次に(B)の▲5五歩に触れます。これは後手に銀を6五へ出させたくないという意味ですが、△5五同銀▲6五歩に△4五歩が絶好なので芳しくありません。(第1図)

 

後手は次に△4六歩▲同歩△6六銀という手順で銀を前進する手が楽しみになるのですが、先手は分かっていてもそれが防ぎにくいですね。

このように、後手の銀を5五へ呼んでも相手の攻めを緩和できないので、▲5五歩は効果の乏しい一手に終わってしまいます。

 

最後に、(A)の▲2四歩を解説します。

 

相穴熊

これは飛車先を軽くする手筋ですが、△2四同歩のあとに何を指すのかという問題があります。▲6五歩や▲5五歩では先述したように不利になるので▲8五歩と指すくらいでしょう。けれども、△6六歩▲8六角に△4五歩がやはり強敵で、先手は不本意な将棋になります。(第2図)

 

一見、▲5三角成で先手が上々に思えますが、△8七歩が痛烈な叩き。どちらで取っても△6七歩成で痺れますね。よって、先手は▲7七銀左とかわすより無いですが、△5七歩が軽妙な垂れ歩で先手は防戦一方に追い込まれます。(第3図)

 

と金を作られると崩壊してしまうので▲2八飛と引くのは妥当ですが、△6五銀と進軍されて先手苦戦。これだけ自陣に相手の歩が残ってしまうと受けに苦心するのは目に見えています。

 

話を整理すると、▲2四歩や▲5五歩や▲6五歩は、どれも相手の攻めを助長する嫌いがあります。ゆえに、これらの手は悪手なのです。

 


他の手について

 

上記の失敗例の問題だったところは、相手の銀を不利益なく進ませていたり、歩を与えて攻撃力を高めさせていた部分にありました。

したがって、問題図ではそういった要素を有していない手を選ぶ必要があり、それが(D)の▲8五歩になります。(途中図)

 

▲8五歩に後手は△6六歩と取り込むのが自然ですが、そこで▲8六角と揺さぶるのが面白い一着ですね。(第4図)

 

これに対して先程と同様に△4五歩▲5三角成と進むと、後手は持ち歩が一歩なので△8七歩と△5七歩を両方とも指すことが出来ません。それでは火力不足なので先手陣は耐えています。

 

そうなると▲8六角には後手も△6三飛と辛抱することになりますが、▲8七銀△4五歩▲8八金上で銀冠穴熊に組み変えるのが堅実な構想で、先手は満足のいく局面を作ることが出来ます。(第5図)

 

[▲8六角△6三飛]の利かしが入ったことで、先手はいつでも▲6四歩で手番を取りながら飛車先を遮断できるようになりました。なので、このように囲いを進展させる余裕が生まれているという理屈なのです。

 

第5図は6筋に拠点を設置されているものの、囲いの強度が段違いなので先手が勝ちやすい将棋です。もし、△6五銀と出られても▲7七桂△5四銀▲3六飛と対応しておけば問題ありません。(A図)

 

問題図では銀冠穴熊の発展を間に合わせることが急所でした。▲2四歩や▲5五歩や▲6五歩はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。

 

 

毎日次の一手 (2019.8.18)

 

冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。

4つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。(悪手の数が一つとは限りません)

 

ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は1~3ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を適切な方向へ導いてください。

 

それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!

 

選択肢

(A)▲1二と
(B)▲8五桂
(C)▲1六飛
(D)▲2八飛

難易度
(4.5)

目的: 形勢の悪化を防ぐ。

 

ヒント: とある格言を思い出してみましょう。

 

解答は明日に発表いたします。お楽しみに!



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