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毎日次の一手(2019.8.10)

毎日次の一手

 

どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。

今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。

 

注意事項

 

・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。

 

・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。

 

「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。

 

昨日の解答

 

それでは、答え合わせです。優位を維持することが目的でしたね。

 

悪手

選択肢

(A)▲2三歩
(B)▲5五歩
(C)▲1六桂
(D)▲1五角

(A)と(C)と(D)です!

 

悪手

 

悪手

 

悪手

▲2三歩と▲1六桂と▲1五角が悪手でした。


解説

 

まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。

 

悪手

(A)の▲2三歩はと金攻めを見せて後手陣の攻略を目指した意味ですね。しかし、これには△4九歩成▲2二歩成△5九とで直線的に攻め合いを挑まれて先手敗勢です。と金の作り合いでは相手の方が一足早いので勝ち目がありません。(A図)

 

次に、(D)の▲1五角を見ていきましょう。

悪手

これは次の▲2四角を見せて飛車の素抜きを試みた狙いですが、構わず△4九歩成が強気な踏み込み。以下、▲2四角△同飛成▲同竜△5九と▲同玉△3三角が手堅い攻防手が手堅い攻防手になります。(第1図)

 

悪手

先手は飛車を渡せる玉型ではないので▲2一竜と逃げるくらいですが、△3一金で弾かれてしまいます。後手には△9九角成→△5七香という分かりやすい攻め筋がありますが、先手には有効な攻めが見当たりません。よって、先手苦戦です。

 

最後に、(C)の▲1六桂ですが、これも△3三角が手厚い応接で後手の受けが成功しています。このように、桂を手放すと3三の角を攻撃する手段がなくなるので、先手は二の矢が放てないのです。(B図)

 

話を整理すると、▲2三歩や▲1五角では攻め合い負けで、▲1六桂では一時力に過ぎません。ゆえに、これらの手は悪手なのです。

 


他の手について

 

上記の失敗例に共通していることは、3七の桂が遊び駒になっていることです。これが攻撃に加担すれば[竜角桂桂]という4枚の攻めになるので、後手に受け止められる心配はありません。

(B)の▲5五歩は、それの実現を目指した一着ですね。(第2図)

 

ぱっと見は△4九歩成で先手がまずいように映りますが、▲5四歩△5九と▲5一銀が会心の一撃で、先手は一手勝ちを収めることが出来ます。(第3図)

 

(1)△同金は、▲5三歩成△同玉▲5一竜。

(2)△3三玉は、▲6六角△4四銀▲4五桂△4三玉▲5三歩成△同金▲同桂成△同玉▲4四角。(C図)

手数は費やしますが、いずれも後手玉を即詰みに討ち取ることが可能です。

 

改めて、第2図に戻りましょう。

上記の変化から分かるように、後手は▲5五歩を無視することが出来ません。

したがって、第2図では△5五同銀と応じることになりますが、▲4五桂△4九歩成▲5四歩が痛烈で、これも先手の一手勝ちが期待できる局面になります。(第3図)

 

これは▲5一角からの詰めろになっています。なので、何らかの対応が必要ですが、

(1)△同歩は▲5三歩。
(2)△同銀は▲4一角

という要領で先手の詰めろが続きます。

第4図は、先手玉がゼットで後手玉は一手一手の寄り筋なので、はっきり先手が優勢でしょう。

 

問題図では5三の地点に狙いを定めることが急所でした。▲2三歩や▲1六桂や▲1五角はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。

 

 

毎日次の一手 (2019.8.10)

 

冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。

4つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。(悪手の数が一つとは限りません)

 

ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は1~3ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を有利な方向へ導いてください。

 

それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!

 

選択肢

(A)▲2三桂
(B)▲2三角
(C)▲7三角
(D)▲9五角

難易度
(2.0)

目的: 優位を維持する。

 

ヒント: 形勢が良いときは、狭い範囲で戦うことがコツです。

 

解答は明日に発表いたします。お楽しみに!



3 COMMENTS

にゃーす

昨日から毎日次一手を読ませて頂いてますが、とても勉強になってます!
ちなみに、選択肢にはありませんでしたが4八歩を同金と取る手はどうですか?

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あらきっぺ

はじめまして。

問題図から▲4八同金は△5七角と放り込まれる強襲を喫するので、危険な意味があります。
ここは攻め合って勝てる局面なので、受けには回りたくないところですね。

返信する
にゃーす

なるほど!
分かりやすい解答ありがとうございます!
(毎日次の一手が毎日次一手になってました。すみませんm(_ _)m)

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