どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。形勢の悪化を防ぐことが目的でしたね。
（Ａ）▲２四歩
（Ｂ）▲２五銀
（Ｃ）▲４三銀
（Ｄ）▲２三同飛成
▲２四歩と▲２五銀と▲２三同飛成が悪手でした。
解説
まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。
この局面で最も自然な一手は（Ｄ）の▲２三同飛成でしょう。竜と飛車を交換するので先手に悪い理屈はないように映ります。
けれども、△２三同玉▲８三飛△７三銀と進んでみると、雲行きが怪しくなっています。（第１図）
後手玉は露出していますが上部が広く、妙に掴みどころがありません。加えて、先手は△３九飛よりも価値の高い手が見当たらないので、苦戦に陥っています。
問題図に戻ります。
このように、先手はシンプルに飛車交換に応じてしまうと将来の△３九飛が厳しいので思わしくありません。
（Ａ）の▲２四歩と（Ｂ）の▲２五銀は、そういった展開を回避したものですね。しかし、前者は△同金。後者は△３五金と受けられて、もっと形勢を損ねてしまいます。これらは２六の飛が捌けないので攻めに迫力がありません。
話を整理すると、▲２四歩や▲２五銀では後手玉が安全になり、▲２三同飛成では自玉が危険になってしまう。ゆえに、これらの手は悪手なのです。
他の手について
上に記したように、先手は飛車交換に応じても拒否しても望ましくない展開になることが分かりました。
そうなると八方塞がりのようですが、（Ｃ）の▲４三銀が難局を打破する捨て駒で、先手は優位を掴むことが出来ます。（第２図）
これは△同玉と取るよりないですが、それから▲２三飛成で竜を取りましょう。以下、△同歩に▲１一角成で香を取る手がべらぼうに価値の高い手です。これを実現したかったので、先手は銀を捨てる犠牲を払った訳なのですね。（第３図）
なぜ▲１一角成が価値の高い手なのかと言うと、壁形を解消しながら後手玉を包囲するという二つの役目を果たす一手になっているからです。
後手は△３九飛が期待の反撃だったはずですが、第３図では▲８八玉と逃げられるので大した威力はありません。また、今度は上部に脱出しにくい配置なので、受けにも利いていませんね。
第３図は、次に▲４四香や▲８三飛が厳しく、玉型も大差なので先手の攻め合い勝ちが見込める局面でしょう。
問題図では８八の角を効率よく捌くことが急所でした。▲２四歩や▲２五銀や▲２三同飛成はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.8.9）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を有利な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲２三歩
（Ｂ）▲５五歩
（Ｃ）▲１六桂
（Ｄ）▲１五角
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
