どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。優位を維持することが目的でしたね。
（Ａ）▲４三金
（Ｂ）▲５一金
（Ｃ）▲５二金
（Ｄ）▲８一飛成
▲４三金が悪手でした。
解説
まずは、なぜ（Ａ）の▲４三金が悪手なのかを説明します。
▲４三金は後手の囲いを削りに行っているので着実な攻めに見えますが、この手は相手の金を攻めていないので、厳しさに欠ける嫌いがあります。なので、後手に△７一角と打たれる余裕を与えてしまうのが痛いですね。（第１図）
これには▲８一飛成で桂を拾うくらいですが、△５三角▲同金△４五香が歩切れを突いた一撃で、先手は芳しくありません。（第２図）
▲３九金は△４八銀で状況が悪化するので、▲５九金左のほうが勝りますが、△４二銀打で防御を固められると、後手玉を倒すのは至難の技と言えます。
この変化は飛車を失った上に、４三に打った金がそっぽへ移動させられている点が詰まらなく、先手の攻めがすこぶる減速しています。問題図から▲４三金と打っても効果的な攻めにはなりません。ゆえに、この手は悪手なのです。
他の手について
つまり、問題図は△７一角だけは打たれては受けない局面であることが分かります。という訳で、それを回避する（Ｄ）▲８一飛成は冷静な一手ですね。
手番を渡すと△４五香を喫してしまいますが、▲５九金左と応接するのが頑丈な受け方になります。（第３図）
先手は一時的に駒損になりますが、香を入手すると▲２六香と打つ攻めが厳しいので、この金香交換はそこまで痛くありません。
このあとは、▲９一竜→▲２六香という要領で指せば先手が良いでしょう。
また、問題図から（Ｂ）▲５一金と（Ｃ）▲５二金は似たような意味なので、まとめて解説します。（第４図）
これに対して△７一角と打つのは、▲４一金△５三角▲４三金と食い付けば、後手陣は修復不可能ですね。（Ａ図）
したがって、▲５二金には△同金▲同竜と進むのが妥当ですが、この局面で後手は適切な受けが見当たらないのです。（第５図）
次は▲３二竜△同銀▲３一銀がありますが、後手は４筋に金気を打てない（全て竜に取られてしまう）ので、自玉を強化することが出来ません。この理屈は、先手の竜が５一に居ても概ね同様です。
ここで△４二香と安い駒で壁を作っても、▲８一飛成で問題ありません。攻めに専念できる態勢なので先手が優勢と言えるでしょう。（Ｂ図）
問題図では、二枚飛車を維持することが重要でした。▲４三金はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.4.5）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を有利な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲７二銀
（Ｂ）▲７七銀打
（Ｃ）▲８六桂
（Ｄ）▲９四歩
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
