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毎日次の一手(2019.8.19)

毎日次の一手

 

どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。

今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。

 

注意事項

 

・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。

 

・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。

 

「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。

 

昨日の解答

 

それでは、答え合わせです。形勢の悪化を防ぐことが目的でしたね。

 

選択肢

(A)▲1二と
(B)▲8五桂
(C)▲1六飛
(D)▲2八飛

(A)と(C)と(D)です!

 

 

 

▲1二とと▲1六飛と▲2八飛が悪手でした。


解説

 

まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。

 

問題図で最も自然な一手は(D)の▲2八飛でしょう。飛車を逃がしながら囲いに利きを届かせているので一挙両得の手に見えるところです。

けれども、▲2八飛には堂々と△4七歩成でと金を作る手が冷静で、先手は手段に喘ぐことになります。(第1図)

 

これは次に△5七と▲同銀△7七歩成を狙っています。それをまともに喫すると先手陣は崩壊しますが、▲6六銀などで受けるようではジリ貧なので勝ち目がありません。

また、ここで▲8三銀で攻め合っても△同銀▲同歩成△同金で後続がなく、攻めが切れています。

要するに、▲2八飛では狙いが無いので手を渡されたときに困ってしまうのです。

 

次に、(A)の▲1二とを見ていきます。これは桂の入手を図ることで将来の▲8三桂に期待したものですね。

 

しかしながら、▲1二とは次に▲1三とを指して初めて価値が生まれる手です。こういった二手一組の手は、一手目を指した瞬間が危ういですね。具体的には△5九竜という強襲を浴びてしまいます。(第2図)

 

囮

これは▲同銀と取れないと話がおかしいところですが、△7七歩成▲同銀△同角成▲同金△同角成と殺到されて先手は寄せ切られています。(A図)

最後に、(C)の▲1六飛ですが、これも同様に△5九竜が成立するので先手は非勢ですね。

 

話を整理すると、▲1二とや▲1六飛では強襲を浴びてしまい、▲2八飛では狙いが無いので力を溜められて困ります。ゆえに、これらの手は悪手なのです。

 


他の手について

 

囮

上記の失敗例に共通していることは、飛車が全く役に立っていないことです。先手としては中途半端にこの駒を守るよりも、相手に取ってもらって4四の角を遊ばせるほうがよっぽど有効に活用していると言えます。

 

したがって、問題図では飛車を取らせる準備を進めておく手が求められており、それが(B)の▲8五桂になります。(第3図)

 

囮

これに対して△5九竜▲同銀△7七歩成と踏み込むのは、桂が取れていないので威力がありません。以下、▲7七同銀△同角成▲同金△同角成▲8三銀と攻め合えば先手が競り勝てるでしょう。(第4図)

 

囮

先手は角の入手が見込めているので、▲9二銀成△同玉▲6五角という攻め筋が楽しみです。

また、ここで△8三同銀には▲同歩成△同金▲8二歩で問題ありません。この変化は後手玉のほうが先に露出するので先手に分があります。(B図)

 

改めて、▲8五桂の局面に戻ります。(第3図)

 

囮

上記の背景があるので、後手は△2六角と飛車を取るのが妥当でしょう。先手は大きな駒損になりましたが、これで攻めに専念できる格好になりました。その状況を活かして、▲9四歩△同歩▲9三歩△同桂▲同桂成△同香▲7四歩と後手玉にプレッシャーを掛けておきましょう。(第5図)

 

囮

▲7四歩は手緩いようですが、次の▲8三桂の威力を向上させた意味があります。先手は攻め駒が多くはないので、このように力を溜める手は価値が高いのです。

第5図は[先手の玉型VS後手の駒得]という構図で難しい形勢ではありますが、▲8三桂という狙いを持つことで敵玉が「見える」形になっていることが大きいですね。簡単ではありませんが、先手も戦える将棋です。

 

 

問題図では、飛車を囮にして玉型の差を際立たせることが急所でした。▲1二とや▲1六飛や▲2八飛はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。

 

 

毎日次の一手 (2019.8.19)

 

冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。

4つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。(悪手の数が一つとは限りません)

 

ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は1~3ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を適切な方向へ導いてください。

 

それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!

 

悪手探し

選択肢

(A)▲8八歩
(B)▲7八銀
(C)▲2八飛
(D)▲7七玉

難易度
(2.5)

目的: 優位を維持する。

 

ヒント: 後手が実現したい手を見抜いてください。

 

解答は明日に発表いたします。お楽しみに!



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