どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。形勢の悪化を防ぐことが目的でしたね。
（Ａ）▲７七銀右
（Ｂ）▲５三角成
（Ｃ）▲７五角
（Ｄ）▲４四飛
▲７七銀右が悪手でした。
解説
まずは、何故この手が悪手なのかを説明します。
（Ａ）の▲７七銀右は上部を手厚くして囲いを強化した意味ですね。ここに銀を上がっておけば△６六桂と打たれる傷を消しているので、価値が高い手待ちのように見えるところです。
しかし、▲７七銀右には△９四飛が機敏な一着で、先手は形勢を損ねることになります。（第１図）
この手は玉頭の薄さをケアしながら９七の角を釘付けにした意味があります。
後手はここから△６二銀→△８三銀→△８二金上といった要領でどんどん囲いを強化することが出来ますが、先手にはこれと言った有効手が無く、思わしい手段がありません。
このように、問題図から▲７七銀右で手待ちしていると、後手に△９四飛と回られて囲いの堅さを逆転されてしまいます。ゆえに、この手は悪手なのです。
他の手について
上記の失敗例を踏まえると、現時点では先手のほうが囲いが堅いので、さっさと戦いを起こすほうが得策であることが分かります。
（Ｂ）の▲５三角成は、その方針に基づいた一手ですね。（第２図）
これには△９八香成▲同玉△５三飛と応じるのが妥当ですが、▲９八香△９三歩▲４四飛△同歩▲２二角で無理矢理、桂香を拾いに行くのが期待の攻め筋になります。（第３図）
角を手放して桂香を取りに行くのは悠長なようですが、先手は桂や香を持てば８四に打つ手が楽しみですし、端の攻防においても必ず役に立つ戦力なので、角を投資してもリターンは充分、返ってきます。
第３図は駒損ながら玉型の差があるので、実戦的に先手が勝ちやすい将棋と言えるでしょう。
また、（Ｄ）の▲４四飛もこの変化と似たような意味です。これは△同歩に▲２二角と打って、やはり桂香の回収を目指した意味ですね。（Ａ図）
最後に、（Ｃ）の▲７五角を解説します。これは先程の変化とは打って変わって、丁寧な指し方と言えます。（第４図）
これは△９四飛と回られる前に角を上がっておくことで、この駒が遊び駒にならないようにした意味があります。
後手は△９八香成▲同玉△９二香で自陣を固めておくのが一例ですが、自然に▲９七歩と受けておきましょう。（第５図）
先手は穴熊の香が盤上から消えてしまったので囲いは薄くなりましたが、それ以上に▲８四香や▲４五香といった攻め筋が生じていることが大きいですね。また、ここで△７四歩と突かれても▲８四角と覗いておけば問題ありません。
第５図は、香を手持ちにしたことや角の働きで勝っていることから、先手は攻める手に全く困らないことが自慢です。先手のほうが敵陣を攻めやすい態勢なので、優位を掴んでいると考えられます。
問題図では後手に△９四飛を回られる前に行動を起こすことが急所でした。▲７七銀右はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.8.17）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を適切な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲２四歩
（Ｂ）▲５五歩
（Ｃ）▲６五歩
（Ｄ）▲８五歩
目的： 形勢の悪化を防ぐ。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
