どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。形勢の悪化を防ぐことが目的でしたね。
（Ａ）▲６八歩
（Ｂ）▲７六銀
（Ｃ）▲７六角
（Ｄ）▲４九玉
▲６八歩と▲７六銀と▲４九玉が悪手でした。
解説
まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。
（Ａ）の▲６八歩は、△６七銀と放り込まれる手をケアした意味ですね。しかし、これは△７六角という攻め筋を全く警戒していないので、危険な一手と言えます。（第１図）
先手は玉を逃げるしかありませんが、どこへ移動しても△８七角成で困ってしまいます。これは受けが困難ですね。
また、（Ｄ）の▲４九玉も△７六角を受けていないので、これも芳しくありません。（Ａ図）
要するに、先手は△７六角を喫すると自陣が崩壊してしまいます。なので、（Ｂ）の▲７六銀は悪手ではないように見えるところですね。
けれども、この場合は△８六歩という攻めが厄介なのです。（第２図）
▲８六同歩△同飛と進むと先手は銀取りが防ぎにくいですね。６七に銀を打ちこまれる手が残っているので、▲８七銀（金）を指すことが出来ません。
かと言って、ここで▲６八歩と辛抱しても、△８七歩成▲同銀△８六歩▲７六銀△８七銀で後手の攻めは止まらないでしょう。
話を整理すると、▲６八歩や▲４九玉では△７六角が厳しく、▲７六銀では△８六歩のときに対応できません。ゆえに、これらの手は悪手なのです。
他の手について
上記の失敗例を踏まえると、先手は［△７六角・△６七銀・△８六歩］という３つの攻め筋に対処する手が求められていることが分かります。
（Ｃ）の▲７六角は、その条件をクリアする唯一無二の受けですね。（第３図）
先手は銀を保持しているので、ここで△８六歩と打たれても▲同歩△同飛▲８七銀で差し支えありません。（Ｂ図）
そうなると後手は△６七銀と打ち込むくらいですが、素直に▲同金△同歩成▲同玉と応じておきましょう。
玉が露出するのは怖いところですが、後手は拠点を失いながら攻めている（すなわち、攻めが細くなっている）ので恐れる必要はありません。（第４図）
先手は次に▲６六銀と補強できれば、かなり頑丈な構えになりますね。後手はそれを許したくないので△７四歩と打つ手が最有力ですが、それには▲４三銀で攻め合ってしまえば良いでしょう。
第４図は、桂得を維持しながら反撃できる態勢を整えているので、先手が指しやすい将棋と言えます。
問題図では手持ちの銀を温存しながら△７六角を防ぐことが急所でした。▲６八歩や▲７六銀や▲４九玉はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.8.28）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を適切な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲６二桂成
（Ｂ）▲７八銀
（Ｃ）▲６四金
（Ｄ）▲４五角
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたしますお楽しみに！
