どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。優位を維持することが目的でしたね。
（Ａ）▲３三歩
（Ｂ）▲７六歩
（Ｃ）▲１五香
（Ｄ）▲３四角
▲３三歩と▲３四角が悪手でした。
解説
まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。
（Ａ）の▲３三歩は桂の入手を目指した意味ですが、この攻め方は持ち歩が二枚以上ある時に実行したい攻め方なので、現局面では効果が乏しいですね。自然に△同桂と応じられて先手は芳しくありません。
次に、（Ｄ）の▲３四角ですが、これは△２二玉のときにどのように攻めれば良いのかという課題が浮上します。（第１図）
ここから▲２三角成△同金▲２四歩△１三金▲１五香と強硬手段に訴える攻め方も無くはないですが、もう少し丁寧な手順を選びたいところです。
第１図の変化は３四に打った角が狭いので、あまり効率の良い攻めではないのです。
話を整理すると、▲３三歩は歩切れになるのが痛く、▲３四角では打った角の働きが悪いという課題を抱えます。ゆえに、これらの手は悪手なのです。
他の手について
先手は持ち歩の数が少ないことが懸念材料なので、それを改善するのは一案です。（Ｃ）の▲１五香はその方針に基づいた一着ですね。（第２図）
これは△同香と応じる一手ですが、▲２四歩△同歩▲同飛△２三歩▲１四飛△１三香▲３四飛と飛車を活用するのが好手順で、先手は攻めを繋げることが出来ます。（第３図）
途中の▲１四飛が卒のない利かしで、△１三香を強要させれば香損している損失を差し引きゼロに出来ることが大きいですね。そうなると、持ち歩が増えている分、先手は得をしています。
第３図は△５六角▲同歩△２五銀で飛車を詰まされる手が気になりますが、▲３二飛成△同玉▲７四歩で問題ないでしょう。
次に、（Ｂ）の▲７六歩を見ていきます。こちらの方が丁寧で本筋の攻め方ですね。（第４図）
後手は７筋の位を無条件で失うと大損です。なので、△７六同歩▲同銀△４一角と応接するくらいですが、構わず▲７五銀と進軍するのが良い判断です。（第５図）
これを放置すると▲７四歩で桂が取れます。後手は△７四歩▲６四銀△６三歩と進めれば銀は捕獲できますが、▲７三銀成△同金▲３四桂と畳み掛けられると支えきれないでしょう。（Ｂ図）
第５図は、［飛角銀桂］の４枚で攻める態勢を築いているので、先手の攻めは止まりません。よって、先手が有利ですね。
問題図では攻め駒の増員を図ることが急所でした。▲３三歩や▲３四角はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.8.7）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を有利な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲４六歩
（Ｂ）▲７七桂
（Ｃ）▲５七銀
（Ｄ）▲２四飛
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
