元奨励会三段が将棋をテーマにあれこれ書いています。

第34回アマチュア王将位全国大会の出場記

どうも、あらきっぺです。

12月2・3日にアマ王将戦の全国大会があり、私は北近畿地区代表として、出場させて頂きました。その模様を記したいと思います。

今回はさくっと敗退してしまったので残念感が漂うというか、大人の反省文っぽくなっちゃうかもしれませんが、お付き合いしていただけると何よりです笑

【大会前日】

大会が東京で土曜日の9時から開始なので、前乗りしておかなければいけません。赤旗名人戦のときと同様に、仕事が終わりに新幹線に乗って上京しました。

アマ王将戦は18時から前夜祭があるのですが、私は参加できそうにない(業務上、金曜は休みにくい)のでパス。皆さん、有給とか使って出席されるんでしょうかね。

ちなみに、前夜祭で抽選を行って、そこで明日の対戦相手が分かるそうです。でもこれって出席者だけが自分の相手を把握できるからフェアじゃないんじゃない? と思ったり思わなかったり。

まぁ、今のご時世だとSNSで対戦表をアップしてくださる取材陣がいらっしゃるので、大した話ではないんですが。それを頼りに検索していると、案の定出てきました。ありがたやありがたや。

で、自分の相手を確認すると…………..。

…………..アマ名人と元奨三段がいますな。うん、何度見ても間違いないわ。ははは…..

いや、別に強い人と当たるのが嫌って訳じゃあないんですよ。ただ、初っ端からヘビー級を相手にするのは朝からステーキ食ってるようなもんで、何か精神的に重いんですよね。ベスト8くらいまで勝ち進んでたら、こっちもテンションが上がっているので、むしろ強敵上等!という感じなんですけど。
その上、予選リーグは2勝通過2敗失格なので、一回勝っただけでは何の意味もないというのも厳しいところ。

とはいえ、おそらく相手も同じような感情は抱いているだろうし、ここで優勝候補を叩いておけばその後が楽だから悪いことばかりではないなと前向きに考えることにしました。

そこからは東京に着くまで数局ほどネット将棋を指したのですが、どうも内容が良くない……。
自分の場合、好調時には全く手を読まなくても良い手を指す(第一感が抜群に良い状態)傾向があるのですが、このときは考えた挙句、特に利点の無い手を選ぶという将棋が多く、なんだかなぁという感じでした。

色々と不安を抱えながら、眠りに就くことに。我ながら、もう少し気楽に臨めば良いのになぁと毎度思います(><)


【大会当日】



朝食会場で初戦の相手である横山氏にばったり遭遇。開口一番に「当たっちゃいましたね~」「相手きついっすよね~」と互いに苦笑い。一連の会話で強敵認定されてることが確認できたので、少しは安心しました笑

対局の方は、第1図のようになりました。ちなみに、持ち時間は30分30秒です。

 

戦型は角換わり。こちらの腰掛け銀に対して、後手は早繰り銀を選びました。

先手はそろそろ居玉を解消したいので、▲5八玉(青字は本譜の指し手)と指しました。対して横山氏は△3一玉と玉を囲います。

その局面になったら仕掛けてしまおうと想定していたので、▲4五歩△同歩▲同桂△2二銀▲6六歩と動きました。(第2図)

 

この▲6六歩に期待していて、次に▲6五歩~▲7一角が狙いです。後手はそれを嫌って△7三桂と跳ねましたが、▲7五歩が継続手。(Ⅰ)△同歩は▲7四歩。(Ⅱ)△同銀は▲7一角がありますね。受けが難しそうなのでⅡの順を甘受するのかなと思っていたのですが、△8三角が意表の受けで、唸らされました。(第3図)

 

正直、この手を見た瞬間はめちゃくちゃありがたく感じたのですが、先手は手を作れずに4五の桂を召し取られてしまうとゲームオーバーなので、このような「ただ受けただけ」のような手も侮れないのです。なおかつ、△8三角は間接的に2九の飛を睨んでいるので、展開によっては攻めに使える可能性があることも見逃せないですね。考えれば考えるほど、厄介な角打ちでした。

 

とりあえず、▲7四歩△同角▲5六角で角を消去しましたが、△同角▲同銀△8三角ともう一度設置されると攻めの継続は簡単ではなく、何を指せば良いのか分からなくなってしまいました。

その後、こちらに手痛いミスがでてしまい、KO寸前まで追い詰められたのですが、相手を決め手を逃して二転三転の泥仕合に。最後は横山氏がトン死という結末でした。まぁ、運だけで勝ったようなものですね……。

 

二回戦の相手は折田氏。彼とはほぼ同じ時期に奨励会に入会したので、盟友みたいなもんです。寡黙ですが、喋らせるとなかなか面白い一面がありますね。振り駒で先手番を引き、第4図の局面になりました。

 

何だか見覚えがあるような無いような。そうです、さっきと同じ将棋になっちゃったんですよねぇ。

さっきと同じではつまらないから今度は気分を変えて▲6八玉と上がってみたのですが、すか
さず△7五歩▲同歩△同銀と仕掛けられて、異変に気付きました。(第5図)

 

予定ではここで▲2四歩△同歩▲2五歩と継ぎ歩で反撃するつもりだったのですが、△8六歩▲同歩△同銀▲同銀△同飛▲8七歩△8二飛で平然と銀交換されたときに都合が悪いのです。(A図)

 

ここで▲2四歩と取り込むと、△2八歩が嫌味な叩きです。▲同飛は△3九銀で飛車を強制的に2筋から移動させられるので芳しくありません。もし、先手玉が5八に居れば、△3九銀に対して▲2九飛△4八銀成▲同玉で問題無いのですが……。

ただ、プロの公式戦でA図から▲4五歩と突いて先手が勝っている棋譜を見つけてしまい、少し複雑な気持ちになりました。うーん…▲2五歩を打って取り込めないようでは変調のように感じるんだけどなぁ……。

また、最近、佐藤天彦さんというとても将棋の強い人が、第5図から▲2四歩△同歩▲4五歩と反撃している棋譜もありました。何が最善の対応なのか、今の自分では分かりかねますが、どうも▲4五歩と突いて反撃する手段が急所のようなので、その筋を中心に考えるべきでしたね。対局中は2筋の継ぎ歩が上手くいかないからカウンターができないやと思ってしまい、攻めの姿勢を放棄してしまいました。

本譜は第5図から▲5八玉と寄ったのですが、これは反省というか、今し方指した▲6八玉という一手を否定しているので、当然良い手ではないです。ちょっと不本意な将棋になってしまいました。

しかしながら、上手く辛抱し、差を詰めて迎えたのが第6図の局面です。

 

後手が持ち駒の桂を△5四桂と打ったところです。

この手は次に△4四角を打とうとしています。△6六桂と△1八歩~△1七歩の狙いですね。

ここは▲3五歩と突くべきで、(Ⅰ)△同歩には▲3四歩と叩けますし、(△同銀は▲4四桂の両取り)(Ⅱ)△4四角には▲8七金と上がるのが強気な受けで、先手も十分、戦えました。

本譜は▲4八玉と寄って△6六桂を未然にかわしたのですが、これが敗着級の悪手でした。なぜなら、△4五歩▲同歩△4六歩と玉頭に拠点を作られてしまったからです。そもそも、こっちがメインの攻め筋だったみたいですね。

わざわざ相手の拠点に玉を近づけたのは致命的で、以下は文字通りボコボコに殴り倒されました。いやー。久々に人間相手に一手違いにすらならずに負けましたね。YouTuber恐るべし。

1勝1敗となり、次戦で予選通過を懸けて、再度横山氏と対戦することに。(横山氏は二局目勝ち)
親友なので、こういう場面では当たりたくなかったのですが、致し方無しです。

それがどんな将棋になったのかというと……。(第7図)

 

またかよ

「二度あることは三度ある」ということを身をもって体験しました。昔の人は上手いこと言うもんですなあ( ̄▽ ̄;)

で、さっき▲6八玉と上がって大失敗したので、1局目と同様に▲5八玉と上がりました。対する横山氏も1局目と同様に△3一玉。くっ……このまま前例を踏襲すると、また△8三角を打たれてしまう。

そんな訳で今回はすぐには仕掛けず、もう少し力をためてから仕掛ける将棋にしました。(第8図)

 

私が▲4五歩と仕掛けて、後手が歩を取らずに△7三桂と跳ねたところです。歩を取らない手は一手も考えていなくて、意外でした。どうも読みが合わないなぁ笑

第一感は▲4一角だったのですが、△8一角のときに後手陣を倒せる自信が無く、却下。

次は▲6一角を考えましたが、△4五歩▲同桂△4二銀と進んだ時に、何のために▲6一角と打ったのか良く分からないので、これも却下。

どれももやもやするというか、しっくりこないので結局▲4四歩△同金▲4五歩△4三金引▲4六角と無難に位を取って、好所に角を設置したのですが、△8六歩▲同歩△同飛と歩を交換されると、あまり効果的な手順とは言えませんでした。(第9図)

 

ここで▲8七歩と打つと、△7六飛で横歩を取られて先手が不満です。しかし、8筋を素通しにするのは先手に制約が掛かるので、これも不本意と言えます。先手は角を手放したことにより、8筋の歩交換を許してしまったのが痛いですね。

また、これは対局後に気づいたのですが、後手の駒の配置は角換わりというよりも、矢倉の脇システムと似ています。脇システムの将棋は、盤上の角を4六に配置することはあっても、持ち駒の角を4六に打つことはほぼあり得ません。脇システムの場合は、▲4一角や▲6一角と敵陣に打ち込んでいくことが多いですよね。その理屈で考えると、好所に設置したつもりの▲4六角は、実は悪手だったということが分かります。

以降もこちらは細かいミスを重ねてしまい、終盤に入る頃には大きく形勢を損ねていて、特に勝負所がないまま敗北を喫しました。

という訳で、今回は1勝2敗で予選敗退という結果に終わりました。全体的には押され気味の将棋が多く、この内容では妥当な結果だと思っているので、割とサバサバとした気持ちでした。

感想戦が終わった後、横山氏と「また全国大会の舞台で真剣勝負をしよ
う」
と約束して、僕のアマ王将戦は幕を閉じました。


【大会後日】

 

将棋大会って負けちゃうとなーんにもやることがないので、とにかく暇なんですよね笑

なので、さっさと帰っちゃうって選択肢も普通なんですが、この日だけはすぐには帰りたくなかったんです。なぜかというと、大会会場の近くでゲームマーケットが開催されてたんですよね。

12/3に、私が心酔してやまない「ミリオンダウト」というゲームのグッズが売っているので、流石に買いに行く一手だなと。

そんな訳で、大会当日は、他の将棋勢の方々とオールナイトで飲んだり遊んだりして、翌日はミリオンダウト勢の方々と遊んでもらってましたヾ(=^▽^=)ノ

結果的に、今回は将棋の大会に参加したというよりも、純粋に東京旅行を満喫したという感じになっちゃいましたが、これはこれで楽しめたので、まぁ良かったです。

今回の敗戦で自分の課題が明確にはっきりしたので、それを克服して次回の全国大会では今度こそ優勝したいですね!

 

それでは、また。ご愛読ありがとうございました。よいお年を(⌒-⌒)ノ゙

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