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~アゲアゲさんと対戦!~ 第48回支部名人戦西地区大会の出場記

どうも、あらきっぺです。

今月の19日~21日に、第48回支部名人戦西地区大会が開催され、私は滋賀県代表として出場させて頂きました。その模様を記したいと思います。


前夜祭

 

大会会場は兵庫県のマーカススクエア神戸。駅から地下街で繋がった場所にあるので、方向音痴の自分でも優しくたどり着けました笑

 

私がこの大会に参加するのは、二年連続二回目。前回は3位でした。その模様はこちらの記事をご覧ください。
第47回支部名人戦西地区大会の出場記

 

例によって誰か知ってる人、おらんかなぁと探していると、奨励会に同期入会したW氏を発見。彼とは久しぶりにお話しできたのですが、良い意味で特にお変わりない雰囲気だったのでほっこりしました。これは自分だけかもしれませんが、同期入会した人とはたくさん将棋を指した仲ということもあり、思い入れのある同志ですね。

 

で、元奨励会員の方と話すと決まって話題になるのが、将棋サボってたから腕が鈍ってますねー(^_^;) というお話。いわゆる、元奨励会員あるあるですね。

 

じゃあ、なんで弱くなってもまだ将棋指してんのかっつーと、やっぱり好きで楽しいからだと思うんですよね。ただシンプルに、面白いものには惹かれるという感じなのかなと。

 

将棋に限らず、こういった大会に参加すると共通の趣味を持つ仲間の熱気が伝わってくるので、つくづく良いものだなと思う次第です。

 


大会初日

 

午前9時から試合開始です。まずは予選。4人1組のリーグに分かれ、2勝通過、2敗失格というシステム。なお、持ち時間は30分30秒。

 

一回戦のお相手はS氏。初めて対戦するお方でしたが、前日の前夜祭にて振り飛車穴熊の使い手という情報をキャッチ。事実、手慣れた様子で序盤はサクサクと穴熊に組まれました。こちらも同じく穴熊で対抗することに。(第1図)

 

(便宜上、先後を反転して表示しております)

先手が▲2七銀と上がったところです。

ここでは悠長な手を指しても悪くはなりませんが、こちらは駒組みが飽和しつつありますし、早めに戦ってしまった方が玉型の差が活きやすい展開に持ち込めそうだなと思いました。

 

という訳で、本譜は△2四歩▲同歩△4五歩(青字は本譜の指し手)という仕掛けを決断。正直、ちょっと雑な感は否めないですが、前述したように囲いの堅さに差があるので、それを主張に戦うプランが良いと判断しました。

以降は小競り合いが続きましたが、ここで戦いを起こしたことで相手に囲いを強化する余裕を与えなかったことが大きかったように思います。(第2図)

 

既にこちらが優位に立っていますが、ここで△4七歩▲6八飛の利かしを入れてから△2六歩と垂らして手応えを感じました。ここに拠点を設置できれば穴熊は粘りが利かないものです。

この将棋は、2筋の歩を切ってそれを攻めに使うという構想が上手くいった将棋でした。

 

二回戦のお相手はF氏。相居飛車の将棋から力戦型に誘導され、形勢判断が難しい将棋に。ただ、分からないなりにも何とか一歩抜け出したんじゃないかという感覚を掴んだのがこの局面。(第3図)

 

(便宜上、先後を反転して表示しております)

この手は▲6三金と打ち込む手を狙ったものですが、際どく詰めろになっていません。したがって、△2五桂と犠打を放ち、▲同竜△7六竜と進めておくのが賢明だったと思います。(A図)

 

7五の桂を取ってしまえば後手玉はすこぶる安全になります。かと言って、▲6六金と打ってそれを守るのは△7八竜で寄せを目指せば良いでしょう。先手は6六に使った金が働いていません。

 

しかしながら、実戦はこの手が指せなかったので泥沼に足を突っ込む羽目になってしまいました。一気に差を詰められて迎えたのがこの局面。(第4図)

 

以前の自分は割と完璧主義者だったので、こうなると気落ちして指し手がガタガタっと乱れがちだったんですよね。

ただ、最近はちょっと失敗しても「まぁ、よくある事だし、やり直せばいいや。あははー」みたいに考えられるようになりました。

 

端的に言えば自分に甘くなった訳ですが、こういうマインドセットのほうが勝負に関しては良い影響を与える気がします。この将棋を勝ち切れたのは、自分でもちょっと成長したところなのかなと思いました。

 

そんな訳で、予選は何とか連勝で切り抜けました。決勝トーナメントはシードを引いたので、一回戦はパス。優勝まであと4勝です。

 

二回戦のお相手はK氏。局面は角換わりのよくある定跡形に突き進んでいきます。(第5図)

 

(便宜上、先後を反転して表示しております)

K氏が▲2六角と自陣角を放ったところです。

この手に対して、受け重視の手を選ぶなら△4一飛でしょう。以下、▲4五歩△同歩▲1五歩△同歩▲5五歩△同銀▲1五香△同香▲5四歩が進行の一例でしょうか。(B図)

 

正直、この攻めなら対処できそうな印象もあるのですが、銀矢倉の堅陣に攻め立てられる展開なので、実戦的に苦労が多いような気もするんですよね。

 

という訳で、本譜はここから△6五歩▲同歩△7五歩▲同歩△9五歩▲同歩△6五桂と逆にこちらから先攻する手順を選んでみました。これがK氏の意表を突いたようです。(第6図)

 

早々と桂を跳ねだす仕掛けなので、切れ筋に陥っても文句は言えません。

ただ、こちらとしては相手が2六に打った角を遊び駒にしたいという意思があるんですよね。ここから先手が受けに徹してくれれば、あの角が無用の長物になることは目に見えています。

 

そのような背景があったので、K氏も激しく攻め合う順を選んできました。(第7図)

 

K氏は2筋、こちらは端攻めといった具合で互いにノーガードで殴り合っていますが、ここで△9五香と走った手が痛烈で、形勢の好転を感じました。

▲同香と取れないと話がおかしいのですが、△9七角▲9八玉△7五角成があります。これは後手の攻めがクリティカルヒットしていますね。(C図)

 

結果的には、第6図でおぼろげに描いていた「2六の角が起動する前に敵陣を攻め潰す」という趣旨を貫くことが実現できました。

 

一局目のS氏との将棋でもそうでしたが、大まかでも良いので中盤の入り口辺りでこの将棋はこのようなプランで戦うということを決め、その後はその方針に則った手を選択していけば、アベレージの高い将棋が指せるような感触を持っています。

 

これでベスト8に進出。次のお相手はO氏。ただ、この将棋は中盤でO氏に誤算があったようで、無理攻めをせざるを得ない状況になってしまいました。以降はそれをしっかり受け止めて制勝。

 

という訳で、準決勝まで勝ち残ることに。次なるお相手は……

 

目下、銀河戦などで勝ちまくっているアゲアゲさんでした笑 実は彼とも同じ年度で奨励会に入会した間柄なんですよね。

 

旧知の棋友と決勝進出を懸けて戦うことになりました。

 


大会二日目

 

昨日の夜にどんな将棋を指すか、あれこれ考えましたが、普段通りに指すことを心掛けることに。奇抜な作戦が通用する相手でもないことは言うまでもないので。

 

振り駒の結果、後手番に。アゲアゲさんは「極限早繰り銀」と呼ばれる作戦を採用。銀河戦でもこれを指していたので、彼の得意戦法なのでしょうね。

 

ただ、この戦法はこちらの記事で記したように、個人的には怖くない戦法だと思っています。
プロの公式戦から分析する、最新戦法の事情(5月・居飛車編)

避ける道理は何一つないので、真っ向から立ち向かうことにしました。(第8図)

 

アゲアゲさん

ここまでは概ね予想通りでしたが、この▲6六角で事前準備から離れた局面になりました。代えて角を上がらずに▲6六歩か▲7七銀で、矢倉か雁木に組んでくる指し方が本命でした。

この手の意味は将来の△8四飛を阻止することで、こちらの飛車を安定させないことが狙いかなと解釈しています。

 

ひとまず、角がこの場所に居座られると始末が悪いので6筋の歩を突いて追い払いに行くことに。(第9図)

 

アゲアゲさん

先手は、一歩損した代償に相手の飛車を妙な場所に留めさせていることが主張なのですが、この局面はその主張が薄れているように感じていました。

というのも、後手はこのあと△5四銀右→△6四飛→△6二飛というルートで飛車を安定することが出来ますし、場合によっては△5四飛→△5六飛で揺さぶりを掛けることも出来るからです。

 

本譜はそれらの筋を嫌って▲6六歩△同歩▲同銀と動いてきましたが、△8四飛▲6七金右△8二飛で無事、歩得を維持しながら飛車が自陣に戻れたのでまずまずの感触を掴んでいました。アゲアゲさんも作戦失敗を自覚していたそうです。(第10図)

 

アゲアゲさん

このあとは模様の良さを活かして、じわりじわりとリードを広げる理想的な展開に。しかし、そこから相手が強かった。(第11図)

 

アゲアゲさん

ここまでは大いに自信を持っていたのですが、この▲2二歩を打たれて分からなくなりました。攻め合うなら△6五歩▲同銀△6四歩▲2一歩成△6五歩という進行が一例ですが、その応酬はどちらが得をしたのか自分の力では判断がつきませんでした。

また、この利かしを甘んじたところで、どの程度の不利益を被るのかも謎。すでに30秒将棋だったので、本譜は無難な△2二同金を選んだのですが、やはり相手の要求を呑んでいるので良い選択では無かったのかもしれません。

 

ただ、これに関してはそこまで罪の重いミスではありませんでした。問題だったのはこの場面でしたね。(第12図)

 

アゲアゲさん

中盤戦もたけなわの局面ですが、2六の銀が遊んでいる分、こちらが有利と言えます。

結論から述べると、ここは△8五歩と合わせるべきでした。仮に▲同歩と応じると、△8六歩▲同銀△7六銀でのしかかる攻めが厳しいですね。

ここに銀を設置することで、先手の囲いを修復不能に追い込めることが大きいのです。(D図)

 

本譜は単に△7六銀を打ったのですが、▲同金△同歩▲同銀と応じられてかえって味消しでした。自ら7五の位を失っているのでD図よりも劣るのです。(第13図)

 

アゲアゲさん

さらにこちらに取って始末が悪いのは、次に▲6八飛という攻め筋を作ってしまったこと。本当は△5五歩などでゆっくり攻めたいところですが、そういった手段を取れなくなったのが痛かったですね。

 

本譜は仕方なく△7五歩▲同角△同角▲同銀△7六歩と踏み込んでいったのですが、▲7四角が強烈ではっきりダメな局面に。王手飛車を掛けられるのは承知の上だったのですが、さすがに自陣の耐久性が低すぎました。(E図)

 

そんな訳で、準決勝で敗退となり3位という結果に。実は去年も3位だったので、うーーーーーん。微っ妙ーーーーー( >ω< )という感じですかね笑

 


終わりに

 

こういった全国規模の大会には数回ほど出場しましたが、良いところまでは勝ち上がるんだけど、あとちょっとのところで頂きに届かないというパターンが続いており、少し複雑な心境です。

 

この傾向を打破して文字通り一段上のステージに行けるのか、それとも特に進歩なく終わってしまうのかは自分の頑張り次第なのでしょうが、基本的には楽しさ重視で将棋に接することを第一にしようとは思っています。というか、性格的に勝負への執着心があまりないので、そう思うしかないという話もあるんですが(^_^;)

 

ただ、まあ、現状ではちょっと力が足りていないかなとも感じつつあるので、いろいろと試行錯誤を重ねてスキルアップを図らないといけないのでしょうね。

それでは、また。ご愛読、ありがとうございました!



2 Comments

ジャック

ウォーズ初段レベルですが、あらきっぺさん・アゲアゲさん共にブログや動画で楽しませてもらっています。

アゲアゲさんの得意戦法にも真っ向から立ち向かえる知識と研究のあらきっぺさん、プロとの対局で益々切れ味が増してきたアゲアゲさんの大一番、読みには(全く)追い付けないものの楽しませていただきました。

アマ強豪の方の活動は、ならではの大変さもあるでしょうが、いち将棋ファンとして感謝、尊敬します。

これからもご自身が楽しめる範囲で、発信を続けてください。

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あらきっぺ

はじめまして。

惜しみないご賛辞、ありがとうございます。
結果は及びませんでしたが、熱のこもった将棋が指せたので内容には満足しています。

自分にとって、将棋やブログは生き甲斐の一つなので今後もマイペースで続けていくつもりです。
そして、その楽しみの輪が他者に繋がっていく今の状況は、とても喜ばしく思います。

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