第54回赤旗名人戦全国大会の出場記

どうも、あらきっぺです。NHK杯以外の記事は久方ぶりになってしまいました(><)

 

Twitterでも呟きましたが、今月の11日と12日に赤旗名人戦の全国大会があり、私はそれに出場して準優勝でした。勝負の世界に於いて、準優勝という結果は良いのか悪いのか何とも言えないところですが、個人的にはとても楽しい二日間だったので、記憶が薄れない内に、書き起こしておこうと思います。


【大会前日】

 

赤旗名人戦の県大会を勝ち抜き、代表を取った際に心配に思ったことは、移動の疲れが取れず肝心の全国大会で普段通りのパフォーマンスが発揮できないかもしれないということ。なので、なるべく早くにホテルに着いて休みたいなぁとは思っていました。ですが、退勤して、夕食食べて、新幹線乗って、東京駅で迷子になって(笑)、ホテルに着いたのは23時前後でしたかね。

チェックインが終わると(受付嬢が真希波・マリ・イラストリアスに激似だった)「こっちで翌日の対戦相手を決める抽選をしてくださーい」と係の方に促されました。よくよく考えたら大会運営の方々が一番、大変なんですよね。遅くまで本当にお疲れ様です…<(_ _)>

部屋に着くなり、さっさと入浴するつもりが、なぜか気が変わって一時間くらい棋譜並べをしてしまいました。我ながら真面目というか、ただのクレイジーというか….(^-^;
結局、1時過ぎに就寝。早く休みたいという思考はどこへ行ってしまったのでしょうか笑


【大会一日目】

 

翌朝、7時起床。けれど布団の中で30分ほどダラダラと過ごす。その後、寝ぼけ眼をこすりながら朝食会場へ向かうと、旧友のY氏を発見。いやぁ、嬉しかったですねぇ。全国大会の良いところは、こうして普段では絶対に会えない人たちと再会できることですね。

他愛もない話をしながら食事を済ませ、程よく緊張が取れました。その後、試合会場へ足を運ぶと、子どもの頃からの将棋仲間や、元奨励会員などの知人がたくさんいて、妙な感慨を覚えました。だって、みんな顔が変わってないんだもん笑

で、初戦の相手は誰かなぁ~? と、対戦表を確認しに行くと(昨日の段階では分からなかった)、これまた旧知の仲であるY氏(さっきのY氏とは別人)が相手でした。ちなみに、Y氏は過去にアマタイトル獲得経験者であり、プロと公式戦で対戦した経験もある強豪です。

正直、初戦からめんどくせー相手引いちまったなと感じていましたが、多分、相手も同じこと考えていたんだろうなとは思います。まぁ、これはあくまで、私の勘ですが笑

なお、大会の形式をざっくり説明すると、まず予選を行い、2勝通過2敗失格。決勝トーナメントは2回戦まで消化して、ベスト8以降は二日目に行うというルールです。ちなみに、一日目の持ち時間は全て25分30秒。

で、Y氏との対局は第1図のようになりました。

 

まだ中盤に差しかかった局面ですが、既に互いに30秒将棋です。

今、Y氏が△6五角(青字は本譜の指し手)と打ったところですが、この手は全く読んでおらず、「なんですか、これ?」と頭の中でクエスチョンマークが咲き誇りました。(10秒経過)

しばらく考えると▲5八角という受けが見え、「一体どうやって次の▲6六歩を防いでくるんだろう……」と考えていたら、(27秒経過)ピーーーーーーっと無機質な時計の電子音が迫り、やばい!ちょっと、着手が間に合わない!と、咄嗟に▲5六歩と突いてしまいました。

まぁ、しかし、こんな予定変更が最善であるはずもなく、△7五歩と角の退路を作られ、あからさまに損をしたことを悟り、結構ヘコみました(T_T)

ただ、元々少しリードしていたので、そこまで致命的なミスにはなっていなかったようです。以降も良い勝負が続きましたが、最終盤でこちらにチャンスが到来しました。(第2図)

 

ここで▲3五桂と打っていれば、こちらに楽しみの多い終盤でした。△同銀は▲5三とが厳しく、放置するのも▲2二金以下の頓死筋が付きまとうので、後手の攻めを牽制しています。

本譜は▲3六桂と打ちましたが、これは後手玉にプレッシャーを掛けていないので緩手でした。対して△4五桂が的確な攻め。この応酬で突き放されてしまい、敗北を喫しました。

今回の大会は、アマチュア復帰後から6回目の大会だったのですが、実を言うとこれが復帰後初黒星でした。ずっと連勝を続けてきたことは、個人的には割とどうでも良く、「意外と負けないもんだな―」と他人事のように捉えていたのですが、知人の間では話題になっていたらしく、会う人会う人に「お前、まだ負けてないんだって?」と話しかけられました。今にして思えば、フラグだったのでしょうか..…(;^ω^)

正直、長期的な連勝が続いていたのは不気味なところもあったので、負けてある意味ほっとした心理もありました。

とはいえ、現実的に次で負けたらゲームオーバーです。ただ、「一回負けても、まだ指せるんだからツイてるなぁ」と、かなり意味不明な楽観的思考で二局目の対局に向かったのは覚えてます。うーん、我ながら奨励会時代とは別人ですな笑

予選二回戦は後手番でしたが、千日手になり、もう一度指し直し。そして第3図の局面を迎えました。

 

後手が7三にいた角を使って、△4六歩▲同歩△同角と突進してきたところです。

ここで▲3一角と打ったのが当然ながら損の無い利かし。以下、△4三飛▲4六銀△同飛▲2四歩△4八飛成▲5三角成で急所の地点に馬を作り、流石にこれは優勢だろうと思いました。

しかし、この後、こちらも決め手を逃すなどのミスがあり、何だかまずい流れだなと感じながら指していたのが、この局面です。(第4図)

 

ここで△3八銀で俗に飛車を詰まされる手が死ぬほど嫌だったのですが、本譜は△6五銀▲同桂△6四歩と囲いに向かって攻める手を相手の方は選ばれました。ただ、それには▲4四角と飛び出す手が△6五歩を緩和しながら2筋の大駒に活を入れる絶好手となり、何とか勝ち切ることができました。

 

一度勝ったことが良いきっかけになったのか、予選3回戦と決勝トーナメント1・2回戦の3局は特に大きなミスも無く、まずまずの内容で、上手く波に乗れたような感触がありました。危ないところはありましたが、何とか二日目まで勝ち残ることができました。ぶっちゃけ、土曜には帰りたくなかったので安心しました(#^^#)


【決戦前夜】

 

運営の方々に結果を伝えてから会場を見渡すと、選手でも取材陣でもない人達がチラホラ……。

全国大会となると強豪が一堂に会するので、彼らの将棋を観戦したり、応援しに来たりする事を目的として駆けつける方も少なくないようです。そういや、受付で「見学者」と書かれたバッジ配ってたなと思い出しました。

で、なんとなーく、彼らとグダグダ話していると、他のグループと合流する形となり、せっかくだから、みんなで飯でも行きましょう!と飲みに行く流れに。

基本的に私は単独行動を好むのですが、こういう機会なら話は別です。邂逅した将棋大好き人間十数人で夜の街へと歩き出しました。

とはいえ、私は勝ち残っていることもあり、他の皆様もその点には留意してくださっていて、「君が無理して付き合う必要は無いからね」と、いつ抜けても良い雰囲気を作って頂いたのは本当に紳士的でした。こういう大人になりたいものですね。

酒席では、ちょっと活字にできないような面白過ぎる話がポンポン出てきて、(腹筋が鍛えられた。あらきっぺ、飲み会が筋トレの場であることを知る)とにかく笑いっ放しでした。21時半頃にお暇させて頂き、23時に就寝。この日は流石に、棋譜並べはしませんでした笑


【大会二日目】

 

翌朝、7時起床。やはり布団の中で30分ほどダラダラと過ごす。ただ、昨日よりも体が軽く、コンデションは悪くないなと感じながら朝食会場へ。

誰か知っている人いないかなぁと淡い期待を抱いたのですが、残念ながら見かけることができなかったので、そそくさと食事を済ませて、その後は対局開始時刻までのんびりと過ごしました。なお、二日目からは持ち時間が30分30秒に変わります。

3回戦の相手は、H氏。過去に何度もアマタイトルを獲得した、百戦錬磨の強豪です。

中盤まで均衡の取れた形勢が続いていましたが、急所の局面でH氏に手痛いミスが出てしまい、そこからは一気呵成に勝利を掴むことができました。これで、優勝まであと2つ。

準決勝の相手はH氏。(もちろん、さっきとは別人ですよ!)奨励会を退会してから仲良くなった棋友です。互いに、「遂に当たってしまいましたか」と苦笑いしながら盤の前に座りました。

序盤でH氏が損な手を指してしまい、それに付け込んでこちらが積極的に攻める展開に。その姿勢が功を奏し、リードを奪って迎えた終盤戦が第5図です。

 

後手が△6七歩成と指した局面です。

平凡に▲6七同歩△同飛成と進めても不満はないですが、その進行は4四の成銀が色褪せた存在になり、戦場から取り残されてしまうような気がしました。よって、強気に▲5三成銀と踏み込むことにしました。仮に△6六飛と逃げてくれれば、▲6七歩△同飛成に▲6三桂と打つ攻め筋が残るので、先手が大いに得をしますね。

 

後手もそれは許せないので、△7八金▲6二成銀△7九金▲同銀△6二金上▲6七歩△5八歩成と駒損覚悟で先手陣を薄くしましたが、▲9五桂△6一歩▲7一金で手応えを掴みました。(第6図)

 

△同金は▲8三桂打から金銀を剥がせるので寄り筋。本譜は△3六馬と粘り強い受けを繰り出されましたが、▲3二飛△9四銀▲8一金△同玉▲6四桂で後手玉を強引に引きずり出し、「見える」形にできたので勝ち筋に入りました。

 

これで、いよいよ決勝戦。相手はK氏。これまたアマタイトル獲得経験者です。

ちなみに、決勝戦は持ち時間が45分30秒になり、15分増加するのですが、自分にとってはこれが曲者でした。始まる前は考える時間が増えてありがたいと思っていましたが、結果的にその意識に引っ張られて、超絶下手くそな時間配分になっちゃったんですよね(o´・ω・`o)

 

二人のH氏との対局では良いペースで配分できたので、今まで通りのスタイルを貫くんだったなぁと。

 

将棋の方は、相早繰り銀になり、互いに似通った陣形になりました。(第7図)

 

この局面がさっぱり分かりませんでした。何が正着だったかなぁ…。

 

候補手は①▲3五歩②▲5八金③▲9六歩④▲3七桂だったのですが、①は△同歩▲同銀に△8五歩のときの対策が見えず、断念。
②は無難だが、プラスになっているのか不透明。③は△9四歩や△1四歩でパスされたときに、また悩ましいから却下。④は△4四歩の後、こちらの方針が謎。

 

結局、10分ほど考えて結論が出なかったので②を選んだのですが、この辺りが自分の甘いところで、▲5八金を指すのなら時間を使うべきではないし、時間を投資したのなら、もっと▲3五歩の変化を掘り下げるべきでしょ……と、2週間前の自分にアドバイスしたいです(≧ヘ≦ )

 

まぁ、形勢は難解なので将棋としては問題ないのですが、試合という観点で見れば、ここの10分は痛かったですね。

 

この後も伯仲の戦いを展開しましたが、なんやかんやとやっているうちに、ようやくこちらが一歩抜け出しました。(第8図)

 

後手が△7八歩と垂らして、次の△7九歩成を狙ってきた局面です。正しく指せば勝てそうな気はしましたが、ここで持ち時間が無くなってしまいました。さっきの10分がここで使えればなぁ…。

 

第8図では、何はともあれ▲5六歩と突いて、△7九歩成に▲2二歩△同玉▲2四歩から寄せに行く方針が分かりやすかったようです。こちらは▲5七玉と上がった形が寄りにくく、(上下に逃げ道を確保しているので、縛られにくい)K氏もその進行では自信無しとのご意見でした。

 

本譜は▲4四角と指しましたが、この手が危険だったようです。というのも、△7九歩成▲5六歩△4六銀と打たれてしまったからです。(第9図)

 

この△4六銀を許したのが▲4四角の罪です。こちらは▲5七玉型が安全地帯だったのですが、それの実現が不可能になり、間違えやすい局面になってしまいました。

ちなみに、この局面を1分ほどソフトに検討させると、+1000くらいの評価値を出してきて、(正直、萎えた)まだ、あなたが余裕で勝ってますよ~と仰る訳ですが、個人的にはミスが出やすい状況に出くわしてしまったので、まぁ、何と言いますか、今の自分の実力では参考にならない数字かな……(と、気持ちの整理を付ける)。

以降は指し手の精度が乱れてしまい、残念なことになってしまいました。まぁ、負ける時はこんなものか…という感じですね。


【大会後】

 

表彰式が終わって大会が終了しましたが、時間が中途半端だったので、この後どうするか少し迷いました。東京のお友達を誘って遊ぼうかとも思いましたが、明日も仕事だし、まっすぐ帰るか…(´・ω・`)と、内向的な方向に。

最後に負けちゃうと後味悪いなぁと、悶々としながら帰路を辿っていましたが、新幹線の中でたくさんの方々が送ってくださったメッセージを読んでいるうちに、何だかスッキリしちゃいました( ̄▽ ̄)
持つべきものは、友ですね。

 

そんな訳で、自分にとって初めての全国大会は幕を閉じました。自分としては、いろんな方々と再会できたり、新たな人脈が広がったところが最大の収穫でした。そして来年は、忘れ物を取りに行きたいですね!

 

ではでは、今回はこの辺で。ご愛読、ありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA