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第77回全日本アマチュア将棋名人戦全国大会の出場記

アマ名人戦

どうも、あらきっぺです。

先日、令和5年9月2日(土)~9月3日(日)に岡山県倉敷市で開催されました第77回全日本アマチュア将棋名人戦全国大会に出場いたしました。結果は、 Twitter/(X) でもご報告したように、ベスト16で敗戦という形になりました。

今回は、この大会の模様を振り返ってみたいと思います。

大会初日

アマ名人戦の全国大会に出場するのは、五年振り二回目。前回はベスト16で終わってしまったので、それを超えることをノルマに、そして優勝を目標にして大会に臨みました。……どっちも出来てないの、我ながら本っ当にダサいなぁ笑

なお、初日は予選と決勝トーナメント一回戦まで行い、二日目はベスト16から決勝まで、というスケジュール。持ち時間は、全て40分30秒です。

さて、初日の対局の模様ですが、どれも完勝と言える内容で(全ての対局が60手目の段階で評価値がこちらに+1400以上傾いていた)あまり振り返るところが無いというのが正直なところです。ただ、初日の出来事を何も書かないのも変な気がするので、美観地区を散歩したときの写真でも載せておきます。

アヒルさんが可愛くて、和みました。

大会二日目

二日目はベスト16から始めるので、頂点までは、あと4勝。お相手は大阪府の狩野氏。第53回全国高校将棋選手権大会で準優勝の実績を持っており、若手強豪の一人です。まぁ、ここまで勝ち上がって来られている方は言うまでもなくなく強い人ばかりなので、相手云々ではなく、自分が良いパフォーマンスを出せるかどうかが大事なんですけどね。

振り駒で先手番になり、角換わりの定跡形に。こちらとしては先手良しとされている定跡に入ったので、中盤は満足のいく展開でした。50手目付近で未知の局面に入りましたが、その後も正しく指すことができ、リードを奪った状態で以下の局面を迎えます。

残り時間は、およそ15分前後といったところ。ちなみに筆者は次の手をあまり時間を投資せず指してしまったのですが、ここはじっくりと考えるべき場面でした。

なぜ、あまり時間を使わなかったかというと、ここで指した☗7五歩が、とりあえず得だからと判断していたことにあります。こちらは☖8六歩☗同歩☖8七歩☗同金☖7五桂が気になる攻め筋ですが、7五に歩を置いておけば、それが消えますし厚みを作ることにも繋がります。ゆえに打ち得と見ていたのですが、それは非常に大局観が悪かったですね。具体的には、持ち歩を浪費することが痛いのです。

こちらは歩を二枚持っていると、後手に☖3三金と寄られたとき、☗2三歩☖同銀☗2二歩の攻め筋が発動できます。後手にとって☖3三金は4三の地点を強化したり4四の歩を除去する準備を進める手なので、すこぶる価値の高い手です。先手はそれを牽制しないといけなかったので、ここは持ち歩を温存しなければいけない場面でした。

ゆえに、ここは☗4九飛と回っておくべきでしたね。そうして次に☗5七金を狙いにします。後手はその時、☖3三金と寄って受けたいのですが、それには先述した☗2三歩が突き刺さります。ただ、金が寄れないとなると、味よく4三の地点を強化することが難しく、後手は対応に困ります。したがって、ここは☗4九飛が指せれば優位を維持できていました。

なお、☗4九飛という手自体は筆者も候補に挙がっており、本譜もその筋で攻めて行ったのですが、☗7五歩で歩を無駄使いしているので☖3三金がピッタリな受けになってしまうんですよね。それが祟って、実戦は効果的な攻めが繰り出せないまま、こちらの攻めが止まることになってしまいました。

以降は、辛抱強く指して逆にチャンスを待つ展開に。紆余曲折を経て、以下の局面を迎えます。

対局中は、「こちらは攻めが切れる心配は払拭できたし、自玉も相当に寄らないから勝ちやすい将棋になってきたかな」と自信を取り戻していました。しかし、実際は -1400 くらい悪いようでして……。先程の局面もそうですが、どうも中盤の難所から終盤の入口辺りの大局観が、相当にバグっているところがあるみたいです。

ただ、こちらは8二のと金を相手の金にぶつけていくだけなので、キャプションにも示したように方針が分かりやすいのは確かです。対して、相手はどう先手玉を攻略するのか、急所が見えにくいですね。そのアドバンテージが大きかったのか、この辺りから形勢はこちらに傾いていくことになります。そして完全に逆転に成功し、勝利まであと一歩というところまで漕ぎつけました。

手数にして142手目、既にお互い30秒将棋です。

この局面の第一感は、☗8六玉☖8八馬☗8四歩で自玉に寄り無し、というものでした。結論から言えば、それで先手が勝ちです。

ただ、程なくして第3図の自玉は、果たして本当に詰めろなのだろうか? という疑問が湧いてきました。王手は相当に続きますが、30秒将棋は読み切ることが出来ません。本譜は詰みが見えなかったので☗2三歩と踏み込んだのですが、これが敗着になりました。そう、トン死です。

☗同玉と取るしかありませんが、☖9五銀から並べ詰みです。指されてみれば当然ですが、第3図の時点では、これが見えていませんでした。我ながら、勿体ない負け方でしたね。

最後の☖9六銀成が読めていないのだからトン死したのは仕方ない側面もありますが、☗2三歩を選んでしまった自分の思考回路は、はっきり言って説教ものです。「自玉に詰みなし」という確信があったのならば、踏み込んで勝負するのは良いでしょう。しかし、それが不透明な状態で踏み込むのは、ただのギャンブルに過ぎません。特に、[詰む・詰まない]のギャンブルは失敗すると負けに直結するので、そんなギャンブルを選ぶべきではないのは明白です。読み切れていないのならば、下手に冒険せず、第一感通り☗8六玉を指すべきでした。

そもそも、この将棋は不利になってから自玉に金気を投資して、ひたすら負けにくく指すことを心掛けていた背景もありました。ならば、その負けにくい指し方をここでも一貫させるべきなのです。最後の最後で方針がブレてしまうところは、我ながら本当に甘い部分ですね。

ついでに、もう一つ言及すると、この局面では一回、☗3八歩と打てば時間を稼げたので、そこで思考時間を確保すれば、正しい判断が出来た可能性もあります。終わってみると、こうした30秒将棋での戦い方が、まだまだ未熟だなと感じました。

課題と今後の取り組み

というわけで、今回のアマ名人戦全国大会はベスト16で敗退となりました。五年前と同じ結果ですね。ただ、全ての将棋で序中盤はリードを得ていたことは、成長した部分でしょうか。

とはいえ、いくらスタートダッシュを決めていても、それを勝利に結びつけられないと意味がありません。先述したように、初日の対局は60手目の段階で+1400以上のアドバンテージを得ており、そのまま勝ち切れています。また、負けた将棋も第1図の局面は+1100程度良かったようですね。つまり、今の自分にとって、その辺りの数字が無事に勝ち切れるかどうかのボーダーラインと言えそうです。この数字を、もっと小さく出来るように技術を高めなければいけません。

また、第1図第2図で考えていたことを踏まえると、中盤の中期~終盤の初期における大局観や形勢判断の能力の精度が著しく低いことも読み取れます。そして、第3図における選択ミス。これらをまとめると、今の自分は、以下の二点に取り組まないといけないと感じています。

(a) 中終盤(地力)の強化
(b) 30秒将棋を上手く戦うための練習

(a)に関しては、今までの経験上、漠然と実戦や棋譜並べ、詰将棋をこなしているだけでは目に見えて向上しないように感じています。なので、今まで取り組んだことのない方法でそれを強化するアプローチが必要だと考えています。

自分は言語化が得意なので、まずは過去の対局から自分が中盤でミスを犯している原因を洗い出し、それを言語化することから始めてみようと思っています。それで改善が見られるかどうかは分かりませんが、まずは試してみないと始まりません。

(b)に関しては、単純に経験値や思考法の問題のように感じます。例の局面でも正しい手は候補に挙がっているので、将棋の技術というより、30秒将棋に適した戦い方が出来ていないだけな気がしますね。というわけで、秒読みの対局を日頃からこなしておくことが必要でしょうか。次に全国大会に出場するときには、これらの課題を克服している段階に達していないといけませんね。これからも直向きに頑張ります。

最後になりましたが、今回の大会の運営に携わってくださった関係者各位に、厚くお礼申し上げます。お陰様で、快適な環境で将棋を楽しむことが出来ました。次にお会いするときは、もう少し長い時間、会場に留まりたいものですね。

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

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