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毎日次の一手(2018.10.13)

 

どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。

 

注意事項

 

・問題は、あらきっぺが指した将棋を基に制作しております。なるべく、答えが一通りになるように局面を編集しておりますが、人間なので当然、ミスはございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。

 

・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。

 

「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。

 

まずは、昨日の解答を記します。

 

正解は、▲6八歩です!

6七の金を支えて、囲いを強化する手が正解でした!


解説

 

問題図では攻守に渡り広い選択肢があるので、指す手が悩ましい局面ですね。どのような方針を選ぶのかは好みが分かれそうな場面ですが、今、放たれた△4九角の存在を軽視すると、先手は痛い目に遭います。(問題図)

 

例えば、攻めるなら▲2二歩が常套手段です。△同金と取ってもらえれば、形を乱せるので先手の得でしょう。

ですが、▲2二歩には△6七角成▲同金△3三桂▲5六銀△8六飛が鋭い切り返しで、先手が芳しくありません。(第1図)

 

▲8八歩には△8七歩で、後手は最低でも竜を作れる戦果は上げられそうです。

先手は角金交換の駒得ながら、8筋が手薄な状態ですし、▲2二歩が空振り気味なので、そこまで自信が持てない局面です。

 

このように、問題図から△4九角を放置すると△6七角成から8筋を突破される手があるので、先手は受けた方が得策であると考えられます。では、▲8八玉で8七の地点を守るのはどうでしょうか?

しかし、▲8八玉には△8五歩▲同歩△5五歩が嫌らしい手順です。(第2図)

 

[△8五歩⇔▲同歩]の交換を入れておくのが抜け目の無いところです。これにより、△8六歩で拠点を設置する手を作ったことが大きいですね。

第2図の局面は、次の△8六歩と△3三桂が同時に受からないので、これも先手不満。この変化は▲8八玉と上がった弊害を的確に突かれています。

 

つまり、問題図の局面は、△6七角成の強襲を警戒しつつ、自陣を効果的に強化する手が求められています。その手段が、▲6八歩なのです!(解答図)

 

△6七角成に▲同歩と取れるようになったので、今度は8筋を突破される心配はありませんね。また、玉が下段に居るので△8五歩の筋も怖くありません。

 

後手もすぐには先手陣を攻めることができないので、△8七歩▲同金△5五歩で手を渡すくらいです。△8七歩で形を乱されるのは、実戦的に嫌らしいものですが、これを堂々と▲同金で払えてしまえるのも、▲6八歩の長所です。(第3図)

 

さて。先手は囲いが少々、歪になったものの、△6七角成からの攻めを気にする必要が無くなりました。すなわち、敵陣を攻める準備が整ったと言えます。

 

まずは、▲5三歩と叩きましょう。金を逃げるようでは後手に何の利も残らないので△5三同金が妥当ですが、▲5四歩△同銀右▲同銀△同銀▲2二歩が軽妙な叩きです。(第4図)

 

△2二同金は右辺が壁になるので、▲7二角が効果的な攻撃になります。(A図)

かと言って、△3三桂では▲3四歩で焼け石に水ですし、▲2二歩を無視して攻め合いを挑むのも無謀な印象です。要するに、第4図は後手が困っている訳ですね。

 

問題図から第4図までの進行はあくまで変化の一例なので、この通りに進む保証はありませんが、▲6八歩と打つことで、強気な戦いに打って出れるようになったことに注目していただきたいです。△6七角成の筋さえ消してしまえば、4九の角はあまり働きません。

 

相手の大駒を活躍させないようにするため、歩で大駒の利きを遮断する手は頻出します。今回の▲6八歩はその応用と言えるでしょう。

 

 

毎日次の一手 (2018.10.13)

 

それでは、今日の問題です。楽しんでください!

 

難易度
(4.5)

目的: 均衡を保つ。

 

ヒント: 後手の飛車が狭いことに着目してください。

 

問題図から形勢を損ねないように、互角の状態を維持してください。

解答は明日に発表致します。お楽しみに!



2 COMMENTS

Sun_say

懇切丁寧な解説いつもありがとうございます(*´ω`*) 特に捨て駒編は、勉強になっております。 今日の一手は、▲4五歩で如何でしょう⁉

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あらきっぺ

いつも、ご覧いただき光栄です。

詳しくは明日の記事にて解説いたします。
ただ、一つだけ申し上げると、▲4五歩は△5四飛のあとに良い手がないと、後々、困ったことになりそうですね。

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