どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「受け」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。なるべく、答えが一通りになるように局面を編集しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。優位を維持することが目的でしたね。
じっと銀を上がっておく手が正解でした！
解説
問題図は、角換わり棒銀の定跡形ですね。居飛車党のプレイヤーは、似たような局面を一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
後手は△９八香成から桂を取る手を視野に入れているので、▲７七桂で予め先受けしておく手は考えられます。ただ、桂を早く動かすと△８六歩が嫌らしいですね。（第１図）
▲同歩△同飛のときに、▲８七銀と打つ手を強要されてしまう（▲８七歩は、△９六飛で困る）ことが、先手にとっては大いに不服なところです。
また、ここで▲９一角と打っても、△８三飛で効果薄ですね。
他には、問題図から▲９一角も候補の一つです。しかし、△８四飛▲７五銀△５四飛で自然に応対されると、先手が良いとは言い切れません。（第２図）
ここで▲５八玉などで飛成を防ぐと、△７二金が絶好の一手。先手は角の動きを封じられ、形勢を損ねてしまいます。
よって、▲８二角成は仕方がないのですが、△５七飛成▲５八銀△５四竜と進んだ局面は先手が大変ですね。（第３図）
ここで▲８一馬と桂を取れば、駒割りは先手の銀得です。しかしながら、△９九香成▲７七桂△９四竜で９筋から侵入される手があるので、全く安心はできません。
第３図は、［駒得VS効率］という構図で互いに主張がある将棋であり、難解な形勢と言えます。
改めて、問題図に戻ります。
上記の失敗例に共通していることは、後手の飛車に捌かれていることです。
つまり、問題図では後手の飛車を抑圧する手が求められており、それが▲７五銀なのです！（解答図）
ここに銀を配置することで、△８六歩や△８四飛を阻止できることが大きいですね。△９八香成と成っても、▲７七桂で柳に風です。
後手は有効な攻めが無いので、解答図では△３一玉で囲いを整備するくらいですが、▲９一角△５二飛▲８二銀が着実な攻めで、先手は優位を拡大することが出来ます。（第４図）
このように、後手の飛車を隠居させることができる場合は、▲９一角が効果的な一手になります。第２図との違いは一目瞭然ですね。
第４図は、自陣が安泰な状態で駒得しているので、先手が優勢と言えるでしょう。
問題図では、８四に飛車を移動させないことが急所でした。ゆえに、▲７五銀が最適な一手になるという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.3.30）
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
