どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
今月は、「悪手探し」をテーマに問題を出題します。
・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。問題に齟齬がないように注意しておりますが、人間なのでミスがあることもございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
目次
昨日の解答
それでは、答え合わせです。優位を維持することが目的でしたね。
（Ａ）▲６四歩
（Ｂ）▲１八香
（Ｃ）▲８八銀
（Ｄ）▲３八飛
▲６四歩と▲８八銀と▲３八飛が悪手でした。
解説
まずは、何故これらの手が悪手なのかを説明します。
（Ｃ）の▲８八銀は、自陣を引き締めて囲いを固めた意味ですね。しかし、△１九とで香を拾われると、次の△６四香や△６六香が厳しいので手入れをした甲斐が感じられません。（Ａ図）
また、（Ａ）の▲６四歩も同様に△１九とで香を取られて微妙ですね。（第１図）
こちらの方が６筋に緩衝材を置いているのでＡ図よりもマシですが、△６六香が残っていることには変わりないので、先手不満と言えます。
最後に、（Ｄ）の▲３八飛に触れます。これは、△１九とを牽制しながら角を質駒に入れた一着ですが、平凡に△２八角成と指されると効果がありません。（第２図）
飛車を逃げると香を取られてしまいますが、▲同飛△同とと進めてもその後のビジョンが見えないですね。後手のほうが相手の囲いを崩す方法が分かりやすいので、先手は勝ちにくい将棋になってしまいます。
上記の候補手はどれも後手の攻めを警戒したものですが、どの変化も厄介な攻め筋が残ってしまうので、効果の乏しい手になっています。ゆえに、これらの手は悪手なのです。
他の手について
先述した失敗例に共通していることは、全て香を取られる変化になっていることです。後手は香を補充できると６六に放り込む攻め筋が生まれるので、途端に攻めが厚くなります。
したがって、先手はこの駒を安直に取らせないほうが得策と言えるでしょう。（Ｂ）の▲１八香は、その方針に則った一手ですね。（第３図）
後手はこのままでは戦力不足ですが、（１）△１九とは▲３八飛のときに都合が悪いですね。
なので、香を取るには（２）△２八とと指す必要がありますが、▲４八銀で角を詰ますことが出来ました。以下、△同角成▲同飛△１八と▲３三角と進めておけば先手が有利でしょう。（第４図）
この変化も先手は香を取られていますが、後手の角をゲットしたので総合的に見ると相手の戦力を削ぐことに成功しています。
ここで△６六香は▲５七金で痛痒を感じませんし、△６四香には▲１八飛で飛車を遠ざけておくのが冷静ですね。以下、△６六歩は▲同銀△同香▲同金で凌いでいます。（Ｂ図）
第４図は▲１一角成で駒得を主張する手が間に合う公算が高く、後手は忙しい状況に追い込まれています。戦いが長引くほど先手の良さが顕在化していくことでしょう。
問題図では６六の地点に香を打ち込まれないようにすることが急所でした。▲６四歩や▲８八銀や▲３八飛はその条件を満たしていないので、悪手になってしまうという訳ですね。
毎日次の一手 （2019.8.3）
冒頭に記したように、今月のテーマは「悪手探し」です。ルールは、以下の通りです。
４つの選択肢の中に、悪手が少なくとも一つ含まれております。それを見つけ出してください。（悪手の数が一つとは限りません）
ちなみに、選択肢の全てが悪手ということはありません。つまり、悪手の数は１～３ということになりますね。悪手を見抜いて、局面を有利な方向へ導いてください。
それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!
（Ａ）▲４四歩
（Ｂ）▲４六香
（Ｃ）▲４九香
（Ｄ）▲３三桂
目的： 優位を維持する。
解答は明日に発表いたします。お楽しみに！
