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いしかわ百万石文化祭2023 将棋フェスティバルIN野々市に参加してきました!

将棋フェスティバルIN野々市

どうも、あらきっぺです。

2023年11/11(土)~11/12(日)に「いしかわ百万石文化祭2023 将棋フェスティバルIN野々市」が開催され、それのアマチュア選抜大会に招待選手という形で参加させて頂きました。

今回は、そのときの模様を綴りたいと思います。

今回のイベント

いしかわ百万石文化祭2023とは、「第38回国民文化祭」「第23回全国障害者芸術・文化祭」の統一名称です。今年は10月14日から始まっており、44日間に亘って行われるようですね。その中の一環に将棋があり、それが今回のイベントである将棋フェスティバルIN野々市になります。

アマチュア選抜大会は12日に行われるのですが、私は前日に会場の下見も兼ね、ちょこっとお邪魔していました。我が将棋人生において、こうした催しに参加者として足を運んだのは記憶にない(運営側なら割とある)ので、なんだか新鮮でしたね。将棋のイベントって、自分が対局者や運営側じゃなかったら、めちゃめちゃ気楽でのどかだなぁと思いました笑

大会の模様

今回の選抜開会は8名が参加。トーナメント戦なので、頂点までは3勝です。なお、持ち時間は25分30秒でした。

一回戦のお相手は佐藤氏。石川県の強豪であり、学生将棋選手権で三位の実績をお持ちです。

相手の四間飛車に対し、こちらは急戦で対抗。途中までは研究範囲であり、それの恩恵で優位を掴みます。けれども、研究範囲から外れた途端、いきなり形勢を損ねてしまいました。

将棋フェスティバルIN野々市

この局面になったら☖4八金と打ち、次の☖9九角成と☖3八金☗同玉☖6七銀を狙えば攻めが続くので優勢、という認識でした。が、☖4八金には☗3七銀と受けられると、☖9九角成を指す余裕がないので金は打てません。これに気付いていればこの局面には誘導しなかったので、対局中は後悔の嵐でした…。

将棋フェスティバルIN野々市

何をやっても悪いので、本譜は☖5七成銀で我慢することに。これは手番を渡す上に☗5三歩の叩きも作るので危険ではあるのですが、この将棋は☖9九角成→☖8九馬を間に合わさないと勝ち目が無いと見ました。結果的には、この判断が逆転の要因となったみたいですね。

準決勝のお相手は秋山氏。元奨励会三段であり、長きにわたってアマ棋界で活躍されている大豪です。今年のレーティング選手権を史上最年長で制覇なされたことは記憶に新しいですね。

相手の一手損角換わりから、腰掛け銀に組み合う将棋に。序盤は不満の無い立ち上がりでしたが、中盤の難所でミスを犯してしまいました。

感想戦でこの局面になったとき、秋山氏は「2筋を継ぎ歩されて自信が無かった」と仰られていました。実際、ソフトに検討させても継ぎ歩を最善と示します。相手の角頭を攻める手は、常に急所なんですね。

なお、こちらは相手の玉型が☖3一玉型だったので、上からではなく、側面から攻めてみたいという気持ちがありました。なので本譜は☗6四歩と伸ばし、☗6九飛の筋に期待することに。しかし、これは相当に急所を外していました。

というのは、ここで☖7七桂成☗同桂☖7四銀と進められると角が詰んでいるからです。自ら角を窒息させているので、☗6四歩は相当に罪が重かったですね。一手パスした方がマシだったレベルにすら見えます。

はっきり言って、こんな弱っちい手は秋山氏の眼中になかったでしょう。ただ、それゆえに相手の読みを外せたのか、実戦はここから思わぬ形で好転することになりました。ただ、悪手を指して相手のプランを外すのではなく、もっと強い手を指して相手の読みを上回らないといけませんね……。

そんなこんなで決勝戦。お相手は高橋氏。支部名人戦やレーティング選手権で優勝されている強豪です。なお、高橋氏とはちょくちょく練習将棋を指す間柄でもあり、お互いに手の内は分かり合っている仲ですね。

序盤は両者共に想定内の展開。こちらは評価値に関しては自分が良いことを知っていたので不満のない進行でした。しかし、例によって未知の局面になった瞬間にミスを犯すことになります。我ながら、同じ失敗を繰り返していますね。

対局中、ここは複数の候補手が視野に入っていたのですが、「まぁ、自然なのは☗3四歩だよなぁ」と思い、それを着手します。ところが、☖3五飛☗3三歩成☖同銀と進められると、桂を入手した甲斐が然程ありませんでした。

こちらは3筋と8筋が弱く、理想を言えばその筋に歩を打ちたい状況です。しかし、現状では歩切れかつ歩を入手する方法も難しいですね。先程の局面の先手は持ち歩の枚数が重要だったので、☗3四歩で歩を消費している場合ではなかったのです。代えて☗2四飛で歩を補充する方が良かったようですね。

ここで不利に陥ったのですが、開き直って強気に指していると相手も方針を誤った節があり、少し形勢にヨリが戻ります。そんな状況で中盤の後期を迎えました。

将棋フェスティバルIN野々市

こちらは念願の一歩が入っており、これをどう使うかが鍵。先述したようにこちらは8筋に歩を打ちたいので、ここは☗8八歩で囲いを強化しておくのが賢明でした。

本譜は相手の飛車を責めるのが急所と見て☗7二銀と打ったのですが、これは攻め急ぎだったようです。具体的には☖8四飛のあとに後続が難しいですね。対局中の予定は☗9六桂☖9四飛☗2二飛成だったのですが、こうして手駒を浪費してから飛車を成っても敵玉へのプレッシャーが弱いので、よい組み立てではありませんでした。

将棋フェスティバルIN野々市

ちなみに、本譜は☗7二銀に☖8二飛だったので、☗8三歩☖7二飛☗8四桂で飛車を捕獲することができ、銀を打った手の顔が立ちました。飛車を奪ってからは、こちらが勝ちやすい将棋になり、ミスが出にくい展開になったようですね。

という訳で、危ない場面は多々あったものの優勝という結果になりました。わーい!

将棋の大会だと頂点に立ったら賞状には「優勝」と表記されるのが普通ですが、この大会は国民文化祭の一環なので「文部科学大臣賞」という形になるんですね。こうした賞状を頂けるのは最初で最後の経験になりそうなので、とても良い記念になりました。

雑感と今後の取り組み

結果としてはベストの形になりましたが、上記のように全ての対局で中盤の中期~中盤の後期で形勢を損ねているので、そこはクリアすべき今後の課題です。逆に、終盤の精度は悪くなかったようですね。今年の加古川青流戦アマ名人戦の狩野戦の課題を改善できていたので、それは良かったです。まだまだ強くなれる余地が残っていると感じているので、引き続き研鑽を重ねたいと思います。

最後になりましたが、今回のイベントを運営なさって下さった関係者各位に、改めてお礼申し上げます。こうした催しに招待させて頂くのはありがたいことであり、お陰様でとても有意義な時間を過ごすことが出来ました。またどこかでお会い出来た際には、今回のことが良き思い出話になりそうですね。誠にお世話になりました。

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

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