どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。
・問題は、あらきっぺが指した将棋を基に制作しております。なるべく、答えが一通りになるように局面を編集しておりますが、人間なので当然、ミスはございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。
・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。
・「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。
まずは、昨日の解答を記します。
飛車を逃げずに、攻め合ってしまう手が正解でした!
解説
まず、改めて問題図の局面を形勢判断してみましょう。
玉型は先手に分があります。先手のほうが囲いの金銀が多いですし、2三の成桂が後手玉へ大いにプレッシャーを与えています。
損得は、現状は後手が角桂交換の駒得ですが、先手は成桂で角を取る権利を握っているので、互角でしょう。
駒の働きは、互いに遊んでいる駒がないので五分。
これらを踏まえると、問題図は玉の安全度と手番を持っていることから、先手が良いことが分かります。
しかしながら、局面は熾烈な終盤戦なので、一手のミスが命取りになります。例えば、問題図から▲2二成桂と角を取ると、△同玉でたちまち逆転します。(第1図)
2三の成桂が消えてしまうと、後手玉は途端に安全度が上昇します。加えて、第1図では次に△8七桂がすこぶる速い攻めなので、先手が勝てない局面です。
では、問題図から▲3五飛と逃げるのはどうでしょうか。飛車取りを回避するので自然ではあるのですが、△6七銀成▲同金左△8七銀がうるさい強攻で、先手が容易ならざる局面です。(第2図)
なお、△6七銀成のときに▲同金直は、△6九銀が厄介です。
第2図では、次に△8八銀成▲同玉△8七歩成以下の詰めろを掛けられています。こういったとき、4七の角が先手玉の逃げ道を塞ぐ立役者になっていることが分かりますね。
つまり、[△4七角⇔▲3五飛]の交換は、後手が一方的に得をする取引なので、先手はこれを受け入れると大いに損なのです。
終盤で、「駒取りを逃げるだけ」の手は緩手になりやすく、これはその典型的な例と言えるでしょう。
つまり、問題図では飛車取りを無視し、なおかつ後手玉へ効果的な攻めを繰り出す手が求められています。それが、▲3三金なのです!(解答図)
これを△3三同桂と応じると、▲同歩成△同金▲同飛成△同角▲同成桂で後手玉は寄り筋に入ります。(第3図)
(1)△3二金は、▲2三桂△4一玉▲6三角が王手飛車取りで先手勝ち筋です。(A図)
(2)△8二飛は、▲4三成桂が冷静な一手。仮に△6七銀成だと、▲3二歩△同飛▲2三桂△4一玉▲6三角以下、後手玉は即詰みです。(B図)
しかしながら、▲4三成桂が詰めろでは、後手玉は一手一手の寄りですね。
解答図に戻ります。
後手としては、△3三同角▲同歩成△3六角成で根本の飛車をなぎ払ってしまうほうが頑張れます。しかし、▲2二成桂△4一玉▲7四角の王手飛車が痛烈ですね。(第4図)
後手は△6三歩と受けるくらいですが、▲8五角で悠々と飛車を取ります。
その局面は、次に▲3一飛△5二玉▲4二とから3六の馬を抜く筋があるので、△3三桂も必然手。以下、▲6六銀で駒損を回復した局面は、先手が優勢を維持しています。(第5図)
なぜ、この局面が先手優勢なのかと言うと、玉の安定感に大きな違いがあるからです。先手玉は▲6九歩の底歩が絶品ですが、後手玉は修復する術がありません。
先手は、次に▲7一飛や▲4五桂(▲6三角成以下の詰めろ)が楽しみで、一手勝ちが大いに期待できる終盤戦でしょう。
問題図の△4七角は、「飛車を逃げろ」と要求しているのですが、▲3三金と打つことで、それを撥ねつけることができます。以上が、▲3三金が正解の理由でした。
毎日次の一手 (2018.10.6)
それでは、今日の問題です。楽しんでください!
目的: 優位を維持する。
解答は明日に発表致します。お楽しみに!