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毎日次の一手(2018.12.3)

毎日次の一手

 

どうも、あらきっぺです。今日も次の一手に取り組んでいきましょう。

今月は、「攻め」をテーマに問題を出題します。

 

注意事項

 

・問題は、主にあらきっぺが指した将棋を基に制作しております。なるべく、答えが一通りになるように局面を編集しておりますが、人間なので当然、ミスはございます。大らかな目でご覧いただけると幸いです。

 

・問題の難易度としては、主に有段者を対象に想定しております。したがって、級位者の方々には、些か荷が重いかもしれません。ただし、解答及び解説は丁寧に記しておりますので、難しければ解答だけでもご覧ください。

 

「ご挨拶」の記事でも記している通り、問題の無断転載は、ご遠慮お願い致します。

 

昨日の解答

 

それでは、答え合わせです。優位を維持することが目的でしたね。

 

毎日次の一手

正解は、▲8二金です!

 

補充

金を打って、攻め駒の補充を図る手が正解でした!


解説

 

問題図は、玉型が大差であることと、後手陣の飛角の働きが悪いことが大きく、先手が有利と言えますが、ゆっくりしていると駒損が拡大するので、うかうかしていられない局面です。

 

問題図

という訳で、何か攻める手を指す必要がありますが、▲4四金と武骨に打ち込むようでは△同銀左▲同歩△同銀で効果薄です。(第1図)

 

攻めが細い

敵陣の守備駒を削ったとは言え、金銀交換では戦果を上げたとは言い難いですね。悪戯に駒を放り込むと4五の位を蒸発させるだけなので、先手は面白くありません。

 

改めて、問題図に戻ります。

問題図

この局面における先手の問題点は、駒損していることと、攻め駒が不足していることです。

つまり、先手は、それら二つの懸念を解決する手が求められており、それが▲8二金なのです!(解答図)

 

戦力の補充を図る

お世辞にも筋が良いとは言えませんが、これで先手は切れ筋の不安を払拭することができます。

 

例えば、ここで△1九飛成▲8一金△4六香▲5九銀△4八歩と反撃に遭っても、▲2五桂で攻め合いを挑めば、先手の旗色が良いでしょう。(第2図)

 

銀を逃げると▲2二角成△同飛▲5五角が両取りになってしまうので、後手は△4九歩成と指すよりないですが、▲3三桂成△同角▲4四桂で好調な攻めが続きますね。

 

解答図に戻ります。

戦力の補充を図る

このように、後手は攻め合いだと負けを早めるので、△3一飛▲8一金△7二金で受けに回る方が粘り強い姿勢ではあります。しかしながら、▲9一金△同飛▲4四歩△同銀左▲4七香で、先手の攻めは止まりません。(第3図)

 

4枚の攻めは切れない!

田楽刺しが決まっている上に、将来、▲5六桂と打つ手も楽しみですね。

第3図は、「堅い」「攻めてる」「切れない」という典型的な必勝パターンを実現しているので、先手が優勢と言えるでしょう。

 

▲8二金のような、駒を僻地に打って戦力を補充する手は、失敗に終わると自ら遊び駒を作るので勇気のいる一手ですが、今回のように自玉が堅く、相手の攻めが来ないケースなら有効打になりやすいですね。

 

 

毎日次の一手 (2018.12.3)

 

それでは、今日の問題です。Let’s challenge!!

 

毎日次の一手

難易度
(3.0)

目的: 勝勢に持ち込む。

 

ヒント: 後手の自陣飛車を警戒してください。

 

 

解答は明日に発表いたします。お楽しみに!

2 COMMENTS

「時間泥棒」仕置人

はじめて、このサイトに辿り着きました。
素人には分からない「直感」で説明されるのではなく、分かりやすい「理屈」で説明していただいているので、しっかり読めば、どんどん棋力の向上に繋がるものと思います。 以前、詰め将棋の本を読んで、プロ棋士の解説は、素人には何の役にも立たないと思っていたところに、素晴らしいサイトを見つけることができて、大満足です。 上記の詰め将棋の本の件は、以前、ブログにも書きましたので、ご笑覧下さい。  
元々は将棋関係のブログではないのですが、最近は、結構、将棋関係の話題も書いていますので、こちらも、ご笑覧下さい。
 

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あらきっぺ

はじめまして。

激賞のお言葉を頂き、誠に嬉しく存ずる次第です。

将棋は完全情報ゲームなので、その局面の状況や指し手の意味をきちんと論理的に捉えて言語化することは必ず出来るはずなのですが、そういった表現方法をされている書籍や観戦記は意外と少ないな、自分だったらこう説明するのにな、と感じたことがブログを立ち上げた動機の一つです。
なので、そういった「理屈」で説明する部分を評価していただけるのは、光栄ですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
 
P.S.
確かに、この詰将棋の解説は不親切ですね(苦笑)

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