どうも、あらきっぺです。このところ、寒暖差が激しく寝るときの服装とか布団が悩ましいですね。まぁ、私は毎年7月まで冬布団を使うので、そんなに変化はないのですが笑
タイトルに記載されている通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。なお、前回の内容はこちらからどうぞ。最新戦法の事情・居飛車編(2022年11月~2023年1月合併号)
・調査対象の将棋は、対象期間のプロの公式戦から(男性棋戦のみ)。
棋譜はネット上や棋譜中継アプリにて公開されているものから収集。
全ての公式戦の棋譜を見ているわけではありません。ご了承ください。
・記事の内容は、プロ公式戦の棋譜を参考にしておりますが、それを元にして筆者独自の研究内容も含まれております。記事内容の全てが棋譜の引用という訳ではありません。
・記事中に記載している出現率は、小数点第二位を四捨五入した数字になります。
・戦法や局面に対する評価や判断は、筆者の独断と偏見が多分に混じっております。当記事の内容を参考にして頂けるのは執筆者としては光栄ですが、妄信し過ぎないことを推奨致します。
目次
最新戦法の事情 居飛車編
(2023.1/1~3/31)
調査対象局は277局。それでは、戦型ごとに解説していきましょう。
角換わり
スライド形を、どう避けるか
67局出現。出現率は、前回の期間から32.0%→24.0%と推移しており、ガクンと落ちています。ただし、これは先手角換わりの評価が落ちたのではなく、後手が角換わりそのものを避けている可能性もある印象を持っています。
現環境の角換わりは、腰掛け銀で戦うのがポピュラーです。特に、先手はスライド形の将棋に誘導したいという思惑がありますね。なお、スライド形とは、以下の図面の変化のことを意味します。
角換わり腰掛け銀は、仕掛けのタイミングが非常に難しい戦型です。しかし、この形で☗4五桂と跳ねれば、先手はスムーズに打開でき、かつ優位を掴みやすい将棋になります。だからこそ、先手はこの将棋に誘導しているのですね。
こうした背景があるので、現環境の後手はいかにしてスライド形の将棋を回避するかということに知恵を絞っています。策の一つに、☖6五歩優先型がありますね。
なお、☖6五歩優先型とは、上図のように後手が早めに6筋の位を取る指し方のことを意味します。この駒組みも数年前から指され続けており、角換わり腰掛け銀における重要なテーマ図の一つです。
この局面を迎えたとき、従来は☗3五歩☖同歩☗4五桂で仕掛けるのが主流の指し方でした。それで先手が面白いと見られている時期もあったのですが、現環境では後手の受け方が確立されており、先手が大変という見解に落ち着いています。
なお、☗3五歩☖同歩☗4五桂の仕掛けで成果が上がらない理由については、以下の記事をご参照くださいませ。
上記の背景があるので、先手は直ちに仕掛ける順は選ばなくなっています。しかし、キャプションに記したように、黙っていると作戦負けになるので、何らかの手段で動く必要があります。
代案として、現環境では☗5六銀☖8一飛☗6六歩☖同歩☗同銀で、6筋の位に反発する手が有力視されています。ただ、こう指すと8筋の守りが無くなるので、後手は☖8六歩☗同歩☖同飛を指すことが出来ますね。(第1図)
後手は手にした位は消えてしまいましたが、7七の銀を上部へおびき寄せたことで、飛車先の歩を交換したこと、及び先手陣を薄くさせたことが主張です。ただ、6六の銀は中央の厚みを掌握する役割を担う駒になる可能性もあるので、必ずしもマイナスではありません。この局面は、6六の銀がきちんと活用できるかどうかが、形勢を分かつと言えるでしょう。
この☖6五歩優先型の将棋は、ここから先手がどうやって中央に厚みを築けるかどうかが鍵になります。現状では、まだその手段は確立させておらず、この形はスライド形の変化と比較すると、まだまだ定跡が整備されていない領域です。後手としては、手軽にスライド形を回避でき、かつ直線的な変化にもなりにくいので、有力な選択肢の一つと言えるでしょう。今後は、この指し方が後手角換わりの主流になっていくのかもしれませんね。
矢倉
横歩を取って戦う
37局出現。出現率は13.1%→13.6%という推移であり、大きな変化は無いことが窺えます。2手目△8四歩に対して No.3 の戦法ではありますが、安定して指されていることは確かですね。
後手は半数近くの将棋が令和急戦矢倉を採用しており、現代矢倉はこの作戦を中心に回っています。この作戦に対して、先手は以下の構えで対抗するのがポピュラーですね。
図が示すように、[☗6八角・☗4八銀型]に組むのが王道の指し方です。こうしておけば☖6五桂の仕掛けは☗6六銀で大丈夫ですね。以降は、右銀を繰り出して攻勢に転じることが先手の大まかな方針になります。
ただ、この形になると、後手には「☖6五歩位取り型」「中住まい型」「雁木移行型」という三種類の有力策があり、先手はそれら全てに対応する必要があります。それが大変な側面もあるので、現環境では先手側が注文をつけるケースも増えていますね。今回は、それを紹介しましょう。
具体的には、横歩取り型の将棋に持ち込んでしまうのです。
令和急戦矢倉は、2筋の歩交換を受けません。先手からすれば、その指し方を咎めて優位を確立できれば手っ取り早いですね。こうして早期に歩を交換し、ついでに横歩まで取ってしまうのは後手の駒組みを真っ向から咎めていると言えます。
さて、この局面を迎えたとき、後手は☖4四角と上がるのが常套手段です。これは、角を2二から動かすことで、☖3三桂や☖2二銀を指せるようにする意味があります。つまり、歩損の代償に駒の効率を高めるという訳ですね。先手が☗3四飛を指したことを咎めている意味もあります。
逆に、先手は☖4四角と上がったことを逆手に取りたいですね。現環境では、そこから☗4六歩☖3三桂☗4八銀と進める手が有力視されています。(第2図)
ちなみに、☗4六歩は後手の角を圧迫するため、☗4八銀は中央を固めて攻める準備を整えるための手です。あとは、何が何でも☗4五歩で後手の角を攻撃します。なお、☖2八歩には☗2四飛で切り返せるので、先手は無条件で桂損になる心配はありません。
後手も角の負担を軽減する手は難しいため、☗4五歩は気にせず攻め合いを選ぶことになります。案としては☖7三桂が挙げられますね。ただ、この局面は先手の方が方針が分かりやすく、横歩を取った姿勢も咎められている訳ではありません。それらを考慮すると、先手の作戦はまずまず成功している印象を受けますね。
このように、令和急戦矢倉に対して横歩取りで勝負するのは、有力な作戦だと考えられます。先手は自分から誘導できますし、その先に向かえるであろう第2図の局面も不満がある訳ではありません。後手にとっては、かなり手強い作戦であり、今後の環境に小さくない影響を与えそうですね。
相掛かり
最強の証明
70局出現。出現率は25.3%であり、今回の期間では最も多く指された戦型になりました。角換わりと同じく、多くのプレイヤーから支持を得ている戦法ですね。
現環境の相掛かりは、☗9六歩優先型が主流です。これに対して、後手が何を指すのかが一大テーマですね。ちなみに前回の記事では、☖3四歩と突く手が有力だと述べました。
ただ、現環境ではそれ以上に、☖4二玉と上がる手が優秀だと見られている傾向を感じます。今回は、その形をテーマに話を進めていきましょう。
この☖4二玉は、基本的には持久戦を志向した一着になります。なお、持久戦志向なら☖3四歩も同様の狙いがありますが、それと比較すると後手は☖8四飛型を先手に強要されないので、より持久戦への適性が高いというメリットがあります。
それらの詳しい内容は、以下の記事をご覧くださると幸いです。
さて、ここから先手には多種多様な指し方がありますが、相手が持久戦を志向しているのであれば、急戦調の作戦を採用した方が得策だと考えられます。そうなると、中住まいに組んで軽快に動いていくプランが一案ですね。
ただ、後手は我関せずの態度で、持久戦志向の駒組みを貫きます。具体的には、☖5二金と上がって腰掛け銀を目指す要領で指すのが良いでしょう。(途中図)
さて、こうした局面を迎えたとき、先手は横歩を取って良さを求めることが出来れば嬉しいですね。
けれども、ここで☗3四飛を指すのは、残念ながら後手の術中に嵌ることになります。詳細は、以下の記事をご参照くださると幸いです。
ただ、前述したように先手は急戦調の将棋にしたいので、穏便な態度では作戦の趣旨に沿わない面があります。ゆえに、ここでは☗2五飛☖2三歩☗3七桂と組み、軽快に動ける配置を作っておくのが一案ですね。
後手は当初の方針通り、淡々と腰掛け銀に構えて相手の攻めを待ち受けます。(第3図)
さて、先手は無難に指すなら☗4六歩ですが、それには☖6五銀と出られる手が気懸りです。この進行は、☗2五飛型に構えたメリットがありません。
なので、ここは☗7七桂が考えられます。☖6五銀を妨害しながら☗8五飛を狙う一石二鳥の桂跳ねですね。
ただ、仮に☗7七桂→☗8五飛が実現しても、大人しく☖8四歩で飛車交換を拒否されると、そのあとのビジョンが難しい側面はあります。先手は7七に桂を跳ねると持久戦にシフトしづらくなりますし、8八の角も使いにくくなります。この局面は手を作るのが大変なので、先手が良さを求めるのは難しい状況ですね。
このように、後手は腰掛け銀に組んでしまえば、先手からそう簡単には動かれない将棋になります。先手は☗9六歩と突いた手があまり活きていないのも気になるところで、作戦が成功しているとは言い難い印象を受けます。第3図は、☖4二玉優先型の優秀性がよく分かる変化だと言えるでしょう。
こうした背景があるからか、実は現環境の相掛かりは、☗9六歩優先型の採用率が徐々に下がっている傾向があります。
上の表は、今回の期間における相掛かりの先手の作戦選択をまとめたものです。相掛かりの対局数は、どの月も大きな変化はありませんね。しかし、☗9六歩優先型以外の作戦が、月を経るごとに増加していることが分かります。これは、☗9六歩優先型ではアドバンテージを取ることが難しいことを示唆しているのではないでしょうか。
このように、現環境の相掛かりは、先手の作戦選択に変化が起こりつつあります。☗9六歩優先型は長らく主流の座に君臨していましたが、今後は風向きが変わるかも知れません。
雁木
攻撃志向の姿勢が色濃い
33局出現。出現率は前回の期間から12.4%→11.9%と推移しています。あまり大きな変化はありませんね。雁木はスペシャリストが好んで採用するケースが多く、環境の変化を受けにくい戦型でもあります。
後手番での雁木は、2手目△3四歩型と角換わり拒否型の二種類あります。ただ、後者に関しては先手が☗2六歩型の角換わりを選ばないと採用できないので、後手で確実に雁木を指すのであれば、前者のオープニングを選ぶことになります。
しかしながら、2手目△3四歩タイプの雁木は、これまで再三に渡って述べてきたように急戦策が強敵です。特に、上図で示した☗7八玉型の急戦策が手強いですね。雁木は工夫無く駒組みを進めるとこの形に誘導され、面白くない序盤戦になってしまいます。
なお、☗7八玉型の急戦策の優秀性については、以下の記事をご参照くださいませ。
という訳で、現環境の雁木は上図の展開を避けるべく、後手が駒組みで工夫する傾向が強いですね。今回は、攻め合い志向で戦うプランを解説したいと思います。
図が示すように、後手は非常に早い段階で7筋の歩を突いていますね。これが雁木の新たな工夫です。
これは、☖5二金と上がる手を省くことで、少しでも早く先手陣を攻撃する意図があります。つまり、ここから先手が穏便に駒組みを進めてきたら、☖7二銀→☖7三銀→☖6四銀→☖7五歩という要領で先攻しようとしている訳ですね。
という訳で、ここで☖7四歩を突かれた場合、先手はより早く攻勢に出る方が得策です。その方が△5二金の整備が入っていない弊害を突けますから。
ただ、現状はやはり玉型が不安定なので、一旦☗7八銀で囲いを引き締めるのが無難です。後手は今さら☖5二金では☖7四歩との整合性が取れないので、☖7二銀で銀を繰り出す準備を進めるのが妥当ですね。その局面で☗3五歩と突く方が、先手は賢明な仕掛けになります。(第4図)
キャプションに記したように、後手はこの歩を取ることは出来ません。相手にしたところで先手の攻めを加速させるだけになってしまいます。ゆえに、ここは無視して攻めの姿勢を取る方が作戦の趣旨に沿っていますね。
そうなると、ここは☖7三銀と上がることになります。ただ、正直なところ、先手の攻めよりも速い印象は全くありませんね。後手は攻撃志向の作戦を取っていたはずでしたが、結局は受け身になってしまいそうな状況になりつつあります。それでは作戦が成功しているとは言い難いでしょう。
このように、現環境の後手雁木は、早繰り銀系の急戦策に手を焼いています。☖5二金を上がると☗7八玉型から先攻されますし、☖6一金型だと☗6八玉型で戦われて都合が悪い、ということです。
雁木としては、こうした攻め合い志向の姿勢で行くのならば、早めに9筋の突き合いを入れておく構想の方が面白い印象ですね。現環境の後手雁木は、それで先手の急戦策に対応するのが最強という印象です。
横歩取り
後手は苦心している
22局出現。出現率は7.9%であり、前回の期間から4%以上落ちました。今回の期間では、支持が落ちていることが窺えます。
前回の記事では☖3三桂戦法にスポットを当てましたが、今回の期間では僅か2局の出現に留まりました。この作戦には☗8七歩を安直に打たない姿勢が有力であり、どうも後手はそれに対して旗色が悪い印象です。事実、上記の2局はどちらもその展開であり、先手が勝利を収めていました。
そうした事情もあり、現環境の横歩取りは☖3三角型が主戦場。ただ、これには青野流が非常に手強く、後手は無策に指すと簡単に悪くなります。なので毎局何かしら工夫を講じているのですが、どうもそれが実っている印象は受けません。やはり現代において横歩取りは、苦労が絶えない戦型ですね。
その他の戦型
打診に対応できるかどうか
48局出現。出現率は17.3%であり、これは矢倉や雁木よりも高い数字です。特に、一手損角換わりが25局も指されていることが目を引きますね。
という訳で、今回は一手損角換わりを掘り下げていきましょう。現環境で多く指されているのは、☖8四歩型の一手損角換わりです。
ちなみに、一手損角換わりは後手がどのタイミングで角を交換するかが一つの考えどころ。後手は☖8三歩型で角を換える方が、駒組みの幅は広くなります。しかし、その場合、先手は☗6九金型のまま駒組みを進められるようになるので、先手にも駒組みの幅が広がります。☖8四歩型は、その逆ですね。
そして、先述したように、現環境では互いに駒組みの幅が狭い☖8四歩型の方が盛んに指されています。(なお、参考までに☖8三歩型は9局、☖8四歩型は16局)背景には、☖8三歩型の一手損角換わりは☗7八玉型の桂ポンが強敵なので、これを避けたいという理由があると推察されます。
なお、☗7八玉型の桂ポンの優秀性については、以下の記事をご参照くださると幸いです。
さて、☖8四歩型が相手の場合、先手は☗7八玉型に組めないので桂ポンを採用する条件は悪くなります。よって、相手の一手損を咎めるには早繰り銀で速攻することになりますね。
一般的に、早繰り銀には腰掛け銀で対抗するのがセオリーです。これは、腰掛け銀に組めば☖4四歩→☖4五歩で相手の銀を追い返したり、銀矢倉に組む余地が生まれるからです。要するに、相手の攻めを受け止めやすい訳ですね。
さて、ここで先手は玉型を安定させるなら、☗7七銀や☗7九玉を指すことになります。ただ、それを選ぶと☖4四歩と突かれたとき、上記の受けの手法が間に合うことになりますね。
その展開も互角の範疇ではありますが、先手は「速攻で倒す」という趣旨とは少しズレた展開になってしまいがちです。
ゆえに、ここはさっさと動く方が賢明です。すなわち、☗3五歩☖同歩☗同銀ですね。後手は☖8五歩と伸ばして反撃の態勢を整えるのが妥当でしょう。(第51図)
先手は8筋を受けるなら☗7七銀ですが、それには☖8六歩☗同歩☖8五歩の継ぎ歩が飛んで来るので良い結果になりません。ゆえに、ここは8筋を放置して指すことになります。
自然なのは、☗2四歩から銀を交換する手でしょう。ただ、その進行を選ぶと、後手から☖3六歩→☖6五歩という要領で反撃の態勢を整えられることがネックではあります。(第52図)
このあと後手は、☖6四角と打つ筋で先手陣を攻撃します。また、☖3三桂→☖4五桂の活用も楽しみですね。戦力は足りているので、敵陣を攻めることに困ることはないでしょう。
先手は銀が捌けたので目的は達成しているのですが、ここからしばらくは受け身になることが予想されます。玉型の優位性があるので形勢は悪くありませんが、大きな戦果を上げた訳でもないのに守勢になるという状況は、あまり旨味が無い感もあります。ゆえに、この岐れなら後手も不満が無い印象を受けますね。
このように、先手はシンプルに銀交換する変化では、優位を掴みにくいことが分かります。そこで、現環境では違う手段に白羽の矢が立っていますね。
具体的には、☗9六歩の手待ちです。(第53図)
傍目には奇妙なタイミングで端歩を突いているので、意図が全く見えてこないでしょう。ところが、この手を指すことにより、先手は大きな恩恵を得ることが出来るのです。
なお、この☗9六歩の詳しい解説が知りたい方は、豪華版の記事をご覧くださると幸いです。
☖8四歩型の一手損角換わりは、早繰り銀から☗9六歩で様子を見るのが有力な対策です。後手はこの打診に対応できるかどうかが、存続の鍵を握っていると言えるでしょう。
序盤の知識をもっと高めたい! 常にリードを奪った将棋が指したい! という方は、こちらをご覧ください。
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今回のまとめと展望
【後手は自然な定跡形の評価が落ちている】
現環境の全体的な傾向として、後手番の居飛車は王道の定跡形の将棋を良しと見ていない風潮を感じます。これは、先手の対策が洗練されていることが一番の理由だと考えられます。
2手目☖8四歩系の将棋で言えば、相掛かりは後手がまずまず戦えていますが、角換わりはスライド形に出来ない縛りが生じており、矢倉も令和急戦を投げておけば OK という情勢では無くなりつつあります。二、三年前と比較すると、後手は取れる選択肢の数が少なくなった感は否めません。
その他の戦型が増加傾向にあるのは、上記の背景が少なからず影響していると考えられます。また、雁木も自然に組むと冴えないので、早い段階で☖9四歩の打診を使う方が望ましいと言えるでしょう。そして、こうして端歩が絡み出すと、力戦志向の色合いが強くなります。今後は、こうした性質の将棋がもっと増えていく予感がありますね。
それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!