最新戦法の事情【10月号・振り飛車編】を公開しました。詳細は、ここをタップ!

最新戦法の事情・居飛車編(2021年4・5月合併号)

最新戦法の事情

どうも、あらきっぺです。最近、生まれて初めてオンラインで服を買いました。服は実際に手に取ってみたい派だったのですが、オンラインでも特に問題ないですね。こうして引きこもりが加速していく…笑

 

タイトルに記載している通り、相居飛車の将棋から最新戦法の事情を分析したいと思います。

前回の内容は、こちらからどうぞ。

居飛車 最新最新戦法の事情・居飛車編(2021年2・3月合併号)

 

注意事項

 

・調査対象の将棋は、先月のプロの公式戦から(男性棋戦のみ)。
棋譜はネット上や棋譜中継アプリにて公開されているものから収集。
全ての公式戦の棋譜を見ているわけではありません。ご了承ください。

 

・記事の内容は、プロの公式戦の棋譜を参考にしておりますが、それを元にして筆者独自の研究内容も含まれております。記事内容の全てが棋譜の引用という訳ではありません。

 

・記事中に記載している出現率は、小数点第二位を四捨五入した数字になります。

 

・戦法や局面に対する評価や判断は、筆者の独断と偏見が多分に混じっております。当記事の内容を参考にして頂けるのは執筆者としては光栄ですが、妄信し過ぎないことを推奨致します。

 

最新戦法の事情 居飛車編
(2020.3/1~4/30)

 

調査対象局は152局。それでは、戦型ごとに見て行きましょう。

 

角換わり

手番を渡しあう攻防


32局出現。普段通り、安定した対局数を誇っていますね。ただし、指されている内容はかなり変化が起こっています。

角換わりと言えば、一時期は腰掛け銀一色でした。特に、基本形の将棋を目指すケースが多かったですね。

しかしながら、ここ最近は桂ポン早繰り銀、そして早めに▲1六歩を突くなど、先手は腰掛け銀ではない作戦も盛んに指すようになりました。

これは、腰掛け銀の将棋を選ぶと、後手に手強い待機策があることが理由です。(参考図)

角換わり 最新

これは基本形から△6三銀▲7九玉△5二玉▲8八玉△4二玉と進んだ局面です。現環境では、この待機策が先手を悩ませていますね。

ここで仕掛けを試みるなら▲4五桂ですが、結論から述べると先手は良さを見出せません。詳細は、以下の記事をご覧くださいませ。

最新戦法の事情【居飛車編】(2020年7・8月合併号 豪華版)

 

角換わり 最新

この局面は、先手が腰掛け銀を志向すると非常に遭遇しやすい形です。しかし、こうなると先手が良さを見出すのは容易ではありません。それゆえ、現環境の先手は色々な作戦にトライしているのですね。

ただ、4月の中旬に先手は腰掛け銀の将棋で新たな工夫を打ち出しました。今回は、その将棋をご紹介しましょう。(第1図)

角換わり 最新

これは、基本形から△6三銀▲7九玉△5二玉▲2七飛と進んだ局面です。先手は自ら下段飛車の好形を崩しており、ぱっと見は強い違和感を覚えますね。しかし、これが画期的なアイデアなのです。

角換わり 最新

まずは、この不可解な飛車の動きがどういった狙いを見据えているのかを解説します。

後手は[△4二玉⇔△5二玉]を繰り返して待機するのが基本姿勢。よって、ここは△4二玉が自然ですが、先手は▲2八飛△5二玉▲2九飛と進めます。一旦、2八を経由するのがポイントですね。

そこから△4二玉と寄ると、先手はそのタイミングで▲8八玉と上がります。このとき、参考図とは微妙に状況が変わっていることがお分かりでしょうか。(第2図)

角換わり 最新

駒の配置は同一ですが、手番に違いが生じていますね。参考図は先手番でしたが、ここでは後手の手番になっています。

現環境ではこの局面を迎えたとき、手番が相手に渡っている方が良いと考えられています。これは前出した記事で解説したように、参考図の局面から▲4五桂の仕掛けが上手くいかないことが最大の理由です。

角換わり 最新

しかし、この局面だと後手は自分の番なので、何か駒を動かさないといけません。そうなると後手は最善形が崩れてしまうので、自分の思惑とは違う将棋になってしまいます。ゆえに、第2図に誘導できれば先手は満足だと言えるでしょう。

角換わり 最新

先手が手番を調整できた秘密は、互いのパスの方法に決定的な違いがあったからです。すなわち、後手は[△4二玉⇔△5二玉]という2拍子のパスをしているのに対し、先手は[▲2七飛→▲2八飛→▲2九飛]で3拍子のパスをしているのですね。

その結果、手の損得勘定にズレが生じ、先手は例の局面で手番を相手に押し付けることが出来たという仕組みなのです。

これが、▲2七飛のベースとなる狙いですね。

角換わり 最新

さて、上記の理屈を踏まえると、後手も3拍子のパスを行えば良いのでは? という考えに至るかと思います。案としては、[△4一玉→△4二玉→△5二玉]であったり、[△4一飛→△5一飛→△8一飛]のようなパスが候補ですね。

しかしながら、先手はそういったパスをされても、満足のいく局面を作ることが出来るのです。詳しくは、豪華版の記事をご覧くださいませ。

最新戦法の事情 【居飛車編】(2021年4・5月合併号 豪華版)

 

矢倉

新型袖飛車、参上!


31局出現。そのうち18局が急戦を志向しています。相矢倉系の将棋は廃れた訳ではありませんが、良さを求めやすい急戦系の方に人気が集まっていますね。

後手が急戦を志向する場合、現環境では[△6二銀・△7三桂型]を早めに作る指し方が最有力と見られています。(第3図)

矢倉 最新

後手の駒組みは、急戦と持久戦の両方を選ぶことが可能であり、とても柔軟性の高い作戦です。いろいろなプランを立てられることが、支持を集めている理由の一つと言えるでしょう。

なお、具体的なプランについては、以下の記事をご参照してくださいますと幸いです。

【パターン1(基礎編)】
最新 居飛車最新戦法の事情・居飛車編(2020年12月号)

【パターン2(応用編)】
居飛車 最新最新戦法の事情・居飛車編(2021年2・3月合併号)

矢倉 最新

さて、上記の記事の作戦も有力なのですが、後手は4月に入ってから新たな構想を編み出しています。今回は、それを掘り下げてみましょう。

矢倉 最新

まず、ここから△4二銀▲3六歩△6三銀と進めておきます。先手も攻めの態勢を作るべく▲3七銀△5四歩▲4六銀で銀を繰り出すのが自然ですが、そこで△7二飛と寄るのが斬新な一着ですね。(途中図)

矢倉 最新

桂を跳ねている状態で袖飛車に構えるのが今までに見られなかった手法です。見た目は風変りですが、こうすることで後手は7三の桂を攻めに使いやすくなるベネフィットが得られるのです。

矢倉 最新

先手は仕掛けるなら▲3五歩ですが、角の働きが弱かったり中央が手薄なので、まだ陣形には不備があります。ゆえに▲5六歩△4四歩▲5八金と進めるのは妥当ですが、後手も△5二金で駒組みを進めておきます。

原則として、後手はカウンター狙いです。したがって、囲いが完成するまでは動かないのが吉ですね。(第4図)

矢倉 最新

さて、先手は本音を言えばもう少し玉型を整えたいところ。ただ、悠長に構えていると△4三銀→△4五歩で銀挟みの筋を食らってしまうので、そこまで余裕がある訳ではありません。

矢倉 最新

したがって、そろそろ▲3五歩を決行する時期に差し掛かってはいます。ただ、後手はカウンター狙いなので、この仕掛けを待っていますね。

▲3五歩には、△7五歩▲同歩△4五歩▲同銀△3五歩▲3四銀△8五桂と強気に応戦します。6五ではなく、8五に跳ねるのが大事なところですね。(第5図)

矢倉 最新

あえてそっぽに跳ねることで、▲6六銀に△6五歩を用意している意味があります。その進行は先手が痺れているでしょう。

しかし、▲8八銀では壁銀になってしまいますし、いつでも△7五飛と走られる手が残ってしまいます。第5図は角と桂の働きに差が着いているので、後手がペースを握っていると言えるでしょう。

矢倉 最新

この将棋の先手は、常に△8五桂の筋に悩まされています。銀の進軍よりも、△7五歩→△8五桂のほうが威力も速度も上なのですね。ゆえに、先手は先攻しても最終的には追い抜かされてしまうのです。

矢倉 最新

とはいえ、のんびり駒組みを進めていると、△4五歩の突き違いが飛んでくるのは先述の通りです。つまり、先手は急戦・持久戦どちらの道を選んでも不本意な戦いを強いられてしまうのですね。

 

矢倉 最新

原則として、[△6二銀・△7三桂型]の急戦に対しては、早繰り銀で立ち向かうのがセオリーです。しかし、この袖飛車作戦は早繰り銀を迎撃しやすく、抜群の相性の良さを誇っていることが分かります。桂を6五ではなく、8五に跳ぶ筋で攻めるというのがエポックメイキングでした。

 

先手としては、どうも早繰り銀では分が悪そうなので、違う作戦に活路を求める必要があると考えられます。現環境の矢倉は先手側に悩みのタネが多く、後手を持ってみたい情勢だと言えるでしょう。

 

相掛かり

△6二玉型にスポットが当たる


33局出現。今回の期間では、最も多く指された戦型でした。

現環境の先手相掛かりは、8七に歩を打たないまま突っ張る指し方が主流です。なお、この指し方は▲5八玉型でも▲6八玉型でも採用が可能であり、どちらが勝るのかは見解が分かれています。

このところプロ棋界では▲6八玉型の方が多数派でしたが、後手も黙ってはいません。▲6八玉型の▲8七歩保留型には、次の対策が有力ですね。(参考図)

相掛かり 最新

このように、横歩を二枚取ってしまうのが注目を集めている手法です。

参考図では▲8二歩や▲8四飛、▲2三歩など気になる手が複数あり、後手は危ない橋を渡ってはいます。けれども、現実の二歩得はやはり大きく、成功したときのリターンは計り知れないものがありますね。

相掛かり 最新

この作戦の成否は難解であり、まだ結論が固まっていません。参考までに、お互いの成功パターンを解説した記事を紹介しておきます。

【基礎編】(後手の成功例) 2020年12月号 豪華版

【発展編】(先手の対策) 2021年2・3月合併号 豪華版

相掛かり 最新

ただ、先手としては良さを求めたいので、「難解」という評価では満足できません。なので、4月以降では▲5八玉型で▲8七歩を保留する作戦―――通称AlphaZero流の採用数が高まりつつあります。

相掛かり 最新

これに対して後手は、上図のように△5二玉型で戦うのがポピュラーではあります。しかしながら、現環境では△6二玉型に構える方が注目を集めていますね。今回は、この将棋を検討してみましょう。(第6図)

相掛かり 最新

先手が玉の位置を5八か6八に据えるように、後手は5二か4二のどちらかに玉を据えるのが一般的です。それを鑑みると、この△6二玉という手はちょっと風変わりではあります。けれども、この指し方は中住まいや△4二玉型にはない利点があるのです。

相掛かり 最新

まず、先手が普段どおりAlpha流の構えを取るとどうなるのかを見ていきましょう。すなわち、▲3七桂△3四歩▲2四歩△同歩▲同飛という手順ですね。

そこで後手は△2三歩と打つのが普通ですが、実をいうと△3五歩でいきなりバトルを起こす手が成立しますこれが△6二玉型を活かす一着ですね。(第7図)

相掛かり 最新

後手は2筋に歩を打たないまま3筋を歩を突っ掛けているので、なかなかに過激なことをしています。けれども、2・3筋が戦場になれば、△6二玉型と▲5八玉型、どちらが安全なのかは言うまでもありません。

このように、△6二玉型は盤面の右辺で戦いを起こしやすいことが利点になります。気兼ねなく△3五歩を突くことが出来る配置なのですね。

 

相掛かり 最新

△6二玉型は△3五歩が突っ掛けやすい。それはつまり、▲3七桂を牽制していることを意味します。桂が跳びにくいのであれば、先手はAlpha流を採用できないですね。そう、この後手の指し方は、Alpha流を封じるための作戦なのです。

相掛かり 最新

ただし、良いことばかりではありません。△6二玉型は急戦を強く意識した配置なので、先手に穏便な作戦へシフトされたときに対応できるかどうかが問題です。

具体的には、▲2四歩△同歩▲同飛△2三歩▲2六飛△3四歩▲8七歩△8四飛▲7六歩のような順ですね。(第8図)

相掛かり 最新

さて、もし後手が△5二玉型であれば、ここは△7四歩と突いておけばノープロブレムです。こういった先後同型のミラーゲームになれば、均衡が保たれるので後手は互角をキープできます。詳しくは、以下の記事をご参照くださいませ。

年末プロの公式戦から分析する最新戦法の事情(12月・居飛車編)

相掛かり 最新

しかしながら、△6二玉型で△7四歩を突くのは、見るからに指しにくいですね。コビンが開いてしまうのでバランスの悪さは言うまでもありません。こういったところは△6二玉型のデメリットと言えます。

後手は△7四歩→△7三桂が指しにくい以上、ゆっくり駒組みを行うプランは選べません。よって、何か動きを見せることになります。

相掛かり 最新

案としては、△7四飛が候補の一つ。これは、▲7七金なら△8四飛▲7八金△7四飛……で千日手を狙う意味ですね。

ただ、△7四飛を寄ると▲8二角と打たれる隙を作るので、この飛車寄りは一長一短なところがあります。筆者としては、一歩を得する利点に見合っていない印象を受けるので、後手が苦労する将棋かなと考えています。

 

相掛かり 最新

それでは、話をまとめます。この△6二玉型の将棋は、Alpha流に対しては有利になりやすい作戦です。けれども、穏便に▲8七歩と打つ将棋を選ばれたときに、やや課題が残っているように感じますね。

相掛かり 最新

基本的に、△6二玉型は急戦調の将棋にしないと強みを発揮できません。したがって、この辺りからどうやって戦いを起こせば良いのかということを強く意識する必要があります。

現状は先手不満無しですが、何か良い仕掛けを発見できれば評価が変わるので、後手もそれを模索する価値は大いにあるでしょう。まだまだ定跡が整備されていないので、これからに注目ですね。

 



雁木

相雁木で打開は可能か?


25局出現。出現率は16.4%。後手番で採用されるケースが多いですが、先手番でも9局指されています。じっくり戦いたいプレイヤーには持ってこいの作戦ですね。

現環境の雁木は急戦に対して耐性をつけており、以前よりも採用しやすい情勢になっています。ただ、先手番で雁木を採用した場合、相雁木で対抗されたときに課題がありますね。具体的には、以下のような形です。

雁木 定跡

この局面は、相雁木において出現しやすい形の一つです。

先手は千日手にするわけにはいかないので、どこかで▲4五歩から仕掛けることになります。問題は、いつそれを決行するかですね。

雁木 定跡

いきなり動く手もありますが、やはり一回は▲6八金右で囲いを強化しておきたいところ。後手も△4二金右で追随しますが、そのタイミングで▲4五歩△同歩▲同桂と動くのが最も自然でしょう。(途中図)

雁木 定跡

後手は角の逃げ場が二通りありますね。ただ、△2二角と引くとしばらくは壁形になってしまうので、後手にとってリスクの高い指し方と言えます。

よって、ここは4四に上がっておく方が角が負担にならないので無難と言えるでしょう。(第9図)

雁木 定跡

さて、この戦型は、第9図の局面から先手が良い攻めを繰り出せるかどうかが鍵を握ります。先手は自分だけ桂を捌くことには成功しているのですが、次に△8六歩▲同歩△8五歩を狙われているので忙しい状況でもありますね。

雁木 定跡

今回の期間に限らず、プロ棋界ではこの仕掛けを決行した実例は複数あります。ただ、全体的に先手が攻めを繋ぐことに苦労されている印象を受けますね。先手は一足先に桂を捌くことは出来るのですが、相手の角の働きを良くしている嫌いがあるので、良いことばかりではないのです。

 

雁木 定跡

話をまとめると、現環境の相雁木は、この局面になってしまうと綺麗に打開することは難しいように感じます。先手としては、雁木を採用するなら腰掛け銀以外の作戦に活路を求める必要があると言えるでしょう。

 

横歩取り

先手の対策が着々と進む


17局出現。1・2月と比較すると出現率は8.5%→11.2%と推移しており、採用数が順調に増えていますね。

ただ、対局の数が多くなると、それだけ対策も洗練されてきます。今回の期間では青野流の定跡に大きな影響を与えた将棋が登場しました。それを解説したいと思います。(第10図)

横歩取り 最新

この将棋は、後手が[△4二銀・△4一玉型]を優先的に作る駒組みの定跡形です。2020年の後期辺りから有力視されはじめた指し方ですね。

なお、この局面までの詳しい解説は、以下の記事をご参照くださいませ。

居飛車 最新最新戦法の事情・居飛車編(2020年7・8月号)

 

横歩取り 最新

さて、ここで後手は何を指すかですが、

(1)△8八角成→△2八角で香を取りに行く。
(2)△2三金で飛車を追って8四の歩を取る。

という二つのプランがあります。ただ、プロ棋界で主流なのは(1)のプランですね。シンプルに香を取りに行って良ければ話は早いですから。

横歩取り 最新

しかしながら、△8八角成▲同銀△2八角に対しては、決定的な対策が発見されました。その局面から▲2三歩と歩を合わせるのが非凡な妙手ですね。(第11図)

横歩取り 最新

ちなみに、従来では▲3二飛成△同玉▲1八金で強引に角を捕獲する手が指されていました。ただ、これは自陣に打った金の活用が難しいので、後手も十分に戦える将棋です。だからこそ後手は△2八角を打てると踏んでいるのですが、この▲2三歩がそれを打ち砕く一手になるのです。

横歩取り 最新

これには△2三同歩と応じるのが自然ですが、先手は▲2四歩ともう一回、歩を合わせます。これが見た目以上に厄介ですね。

▲2四歩に△同歩は▲同飛が両取りになってしまいます。なので後手は△3三歩と受けることになりますが、▲2三歩成△3四歩▲3二と△同玉▲2三歩と斬り込むのがシャープな手順。これで後手は斬られているのです。(第12図)

横歩取り 最新

△同玉には▲4一角が痛打。敵玉を2筋に引っ張り出せば、先手の攻めは突き刺さります。よって、後手はこの歩を放置せざるを得ません。

横歩取り 最新

ただ、黙っていると▲2二角から右辺の駒を食い荒らされてしまいます。何とかしてそれを阻止したいのですが、△3三銀と受けても▲2五桂で銀を動かされるので効果がありません。つまり、すでに後手には適切な受けが無いのです。

横歩取り 最新

後手は2八に角を打った以上、△1九角成と指したいところですが、▲2二角のほうが威力が高いので、攻め合いでは勝ち目が無いことが辛いですね。

▲2二角は素朴な手ですが、駒を取りながらと金作りも見込める攻めなので、雪だるま式に攻めの威力が上がっていきます。香を拾うという意味では同一ですが、後手の△1九角成とは敵陣に与える影響が段違いなのですね。

 

横歩取り 最新

この局面は昨今の横歩取りにおける流行型の一つですが、▲2三歩という手がある以上、ここで後手は△8八角成▲同銀△2八角の変化が選べなくなりました。今後は、△2三金と上がる変化が主流になっていくことでしょう。

なお、△2三金と上がる変化については、以下の記事をご覧くださいませ。

最新戦法の事情【居飛車編】(2020年10月号 豪華版)

 

その他の戦型

基本的に指されない


14局出現。出現率は9.2%。ときたま指されるといった程度ですね。

現環境は、2手目△8四歩から定跡形の将棋で安定していますし、雁木も悪くない選択です。ゆえに、後手は奇をてらった作戦を選ぶ理由がありません。対局数が少なく、必然的に目新しい工夫も特に出ませんでした。

 


お知らせ

序盤の知識をもっと高めたい! 常に作戦勝ちの状態で戦いたい! という方は、以下の記事をご覧ください。

参考 最新戦法の事情【居飛車編】(2021年4・5月合併号 豪華版

 

最新の戦術には興味があるけど、どう指して良いのか分からない。どうしてプロがこういった指し方をするのかを知りたい。そういったお気持ちがある方には、うってつけのコンテンツとなっております。

 

有料(300円)ではありますが、その分、内容は深堀しております。よろしければご覧ください!

 

今回のまとめと展望

 

【将棋は、やはり先手有利なのか?】

 

現環境は、先手が満足に戦える将棋が多い印象を受けますね。矢倉は苦労しているものの、角換わりや相掛かりは先手が十分に戦えますし、横歩取りも青野流の変化で有利に導ける変化が増えています。

最新 居飛車 2021年5月

なお、先手雁木に関しては、下図のように腰掛け銀に組み合う展開になると、良さを見出すことは難しいように感じます。

雁木 定跡

なので、先手としては腰掛け銀ではなく、▲5六歩型の雁木に組むなど、他の方法で打開策を探る必要があると言えるでしょう。例えば、以下の記事は一策ではありますね。参考になれば幸いです。

参考 最新戦法の事情【居飛車編】(2020年3月号 豪華版

 

それでは、また。ご愛読いただき、ありがとうございました!

3 COMMENTS

あんぱん

いつもためになる記事をありがとうございます。今回の矢倉の第3図のところで質問です。第3図での先手の右銀の位置は48ですが、過去の棋譜で横歩を狙う展開になった時に右銀の位置は39であった印象があります。39銀型は横歩をとったときに相手から28歩と打たれる手を消したり継ぎ歩から飛車を回られた時に28歩の受けを用意したりなどの意味があるがあると思ったのですがあらきっぺさんの見解を教えていただきたいです。また、第3図では39銀型ではなく48銀型となっていますがこれはは中央に利きを足して65桂馬の速攻を警戒しているのでしょうか。あと、第3図に至るまでの手順も教えていただけたら幸いです。

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あらきっぺ

先手が▲3九銀型を維持して横歩を取っていく指し方は、対抗策の一つですね。これの詳細や見解は、こちらの記事をご覧いただけますと幸いです。

先手が横歩を取らずに駒組みを進めるのであれば、▲4八銀型に構えるのは自然な配置でしょう。あなた様の仰るように、後手は桂を跳ぶことを念頭に置いているので中央はしっかり補強しておきたいところです。

また、第3図に至る手順ですが、最近の対局ですと、第79期名人戦七番勝負第4局がこの将棋と同一ですね。棋譜は、こちらのサイトからご覧いただけます。

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あんぱん

なるほど、39銀型で良さを見出せないので48銀と組むと言う感じですか。横歩は取りにくいのが今の見解なのですね。ありがとうございます!

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