最新戦法の事情【居飛車編 8・9・10月合併号】を公開しました。詳細は、ここをタップ!

最新戦法の事情 振り飛車編(2022年1月号)

最新戦法 あらきっぺ

どうも、あらきっぺです。今年初のブログ更新ですね。この記事を作るまで、今年の干支をもう忘れていました笑 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

タイトルに記載されている通り、振り飛車の将棋を見ていきましょう。なお、前回の内容はこちらからどうぞ。最新戦法 あらきっぺ最新戦法の事情 振り飛車編(2021年11・12月合併号)

 

注意事項

 

・調査対象の将棋は、先月のプロの公式戦から(男性棋戦のみ)。
棋譜はネット上や棋譜中継アプリにて公開されているものから収集。
全ての公式戦の棋譜を見ているわけではありません。ご了承ください。

 

・記事の内容は、プロの公式戦の棋譜を参考にしておりますが、それを元にして筆者独自の研究内容も含まれております。記事内容の全てが棋譜の引用という訳ではありません。

 

・記事中に記載している出現率は、小数点第二位を四捨五入した数字になります。

 

・戦法や局面に対する評価や判断は、筆者の独断と偏見が多分に混じっております。当記事の内容を参考にして頂けるのは執筆者としては光栄ですが、妄信し過ぎないことを推奨致します。

 

最新戦法の事情 振り飛車編
(2021.12/1~12/31)

 

調査対象局は66局。それでは、戦型ごとに解説していきましょう。

 

先手中飛車

存亡の危機?


10局出現。盛んに指されている訳ではありませんが、出現率は15.2%であり、低い数字ではありません。ただ、はっきり言って、現環境では苦戦気味ではあります。

先手中飛車の旗色が悪い理由は、後手超速に苦しめられていることが最たる理由です。従来は▲6六銀型で対抗すれば悪くない風潮でしたが、現環境では居飛車に桂の活用を優先する攻撃特化の駒組みを採られると、どうも芳しくない情勢になりつつあります。(基本図)

後手超速

この組み方をされると、振り飛車は不利になりやすい変化に誘導されてしまいます。詳しい解説は、以下の記事をご参照くださると幸いです。

【▲6六銀型が苦しい理由】
2021年11・12月合併号

 

そういった事情があるので、現環境では▲6六銀型ではない駒組みに活路を求める動きが出ています。今回は、その工夫を取り上げてみましょう。(第1図)

後手超速

▲6六銀型は力強い構想ではあるのですが、角が使いにくくなることがデメリットでもありました。この▲6八銀型から▲5四歩と動く指し方は、角道を止めないことを最大限に活かした指し方です。▲6六銀型とは趣旨が真逆のプランと言えるでしょう。

後手超速

基本的に、超速という戦法は、△7五歩と突っ掛けて振り飛車の角を目標にすることが狙いです。ゆえに、振り飛車は目標物である角をさっさと捌いていまう方が対処しやすいと踏んでいる訳ですね。

なお、この作戦の実例としては、第80期順位戦B級2組8回戦▲北浜健介八段VS△飯塚祐紀七段戦(2021.12.8)が挙げられます。(棋譜はこちら

後手超速

ひとまず、ここから△同歩▲同飛は妥当な進行でしょう。そこで居飛車が何をするかです。(途中図)

後手超速

こういった局面での常套手段として、△7七角成▲同銀△7五歩という攻め筋があります。▲同歩と取らせてから△6五角を打てば、居飛車は馬を作ることが出来ますね。

ただ、これは▲5九飛△8七角成▲8八歩と進めておけば、振り飛車は特にダメージを負うことなく局面を収めることが可能です。(第2図)

後手超速

自然な対応は△6五馬ですが、▲7四角で馬を消されてしまいますね。これは条件がイーブンなので、振り飛車は角を捌いた利が残ります。よって、振り飛車満足でしょう。

こういった進行であれば、振り飛車は▲5四歩を突っ掛けた甲斐があったものです。

後手超速

けれども、この局面は他にもっと手強い指し方があり、その変化を選ばれると振り飛車は芳しくないところがあります。それゆえ、▲6八銀型から▲5四歩と動く作戦は、些か無理っぽい印象がありますね。

なお、居飛車のもっと良い指し方については、以下の記事をご覧いただけますと幸いです。

 

話をまとめると、現環境の先手中飛車は、力で対抗するプラン(▲6六銀型)も捌きを求めるプラン(▲6八銀型から▲5四歩)も上手く行かないのが実情です。先手中飛車が生き残るためには、もっと別の工夫が必要と言えるでしょう。

 

四間飛車

ミレニアム問題がネック


9局出現。前回の期間とは打って変わって、かなり下火になっています。他の戦法に流れている傾向がくっきりと現れていますね。

四間飛車は、端歩突き穴熊を含みにした作戦にどう対抗するかが課題です。先手番の場合は美濃囲いから急戦志向で動く姿勢を見せるのがポピュラーな対策ではありますね。

この際、振り飛車は左銀の配置と3・4筋の歩を突く順番で、少し作戦のテイストが変わるところがあります。(基本図)

四間飛車 最新

振り飛車としては、図のように[▲4六歩・▲7八銀型]に構えるのが端歩突き穴熊や急戦に対して相性の良い配置になります。ここから居飛車が穴熊を目指してきたら、玉の囲いを後回しにして攻撃態勢の構築を優先します。

四間飛車 対 ミレニアム

また、▲7八銀型を維持しておけば、急戦に耐性があることも心強いですね。▲6五歩が突きやすいので、△5三銀→△6四銀→△7五歩という攻め筋に対して簡単にカウンターが撃てることが自慢です。

四間飛車 対 ミレニアム

しかしながら、この配置も良いことばかりではありません。[▲4六歩・▲7八銀型]には、ミレニアムに組まれたときにどうするかという問題があるからです。(第3図)

四間飛車 対 ミレニアム

まず、なぜ[▲4六歩・▲7八銀型]はミレニアム問題が発生するのかという話をしましょう。

これは▲4六歩を優先的に指すことで、振り飛車はミレニアムに対する有力策が使えなくなってしまうことが理由になります。(仮想図)

四間飛車 ミレニアム

振り飛車の布陣は面妖ですが、ミレニアムには▲4六銀型の配置を作ることが有効な指し方の一つ。こう組めば相手の角や桂を攻撃しやすい状況になりやすく、振り飛車は主導権を握ることが期待できます。

なお、この作戦の詳しい解説は、以下の記事をご覧くださいませ。記事では振り飛車が後手番で解説しておりますが、先手番でも同様に使うことが可能です。

最新 振り飛車最新戦法の事情 振り飛車編(2020年12月号)

四間飛車 対 ミレニアム

しかしながら、こうして▲4六歩を早く突いた場合は、上記の作戦を採用することが出来ません。ゆえに、ミレニアム問題が発生するという仕組みなのです。

四間飛車 対 ミレニアム

さて、ミレニアムに対して振り飛車はどう戦うかですが、基本姿勢として固め合いの展開は選びたくありません。

これは、△4四角型に構えられると振り飛車は銀冠に組めないので、囲いの進展性を奪われているからです。よって、攻撃態勢の充実を図ることで良さを求めたいですね。

一案として、石田流への組み換えを目指す指し方が挙げられます。(第4図)

四間飛車 対 ミレニアム

こうして早めに7筋の歩を突き、次に▲7八飛→▲6八角という要領で石田流を目指します。振り飛車はそれが無事に実現できれば、不満の無い序盤戦になりますね。

なお、この指し方の実例としては、第70期王座戦一次予選 ▲井出隼平五段VS△杉本和陽五段戦(2021.12.22)が挙げられます。

四間飛車 対 ミレニアム

ただ、一つ懸案を述べると、振り飛車は▲7五歩を確実に指せる保証がありません。例えば、居飛車がこれを警戒し、もっと早い段階で△7四歩を突いていたりすると、石田流への組み換えは夢のまた夢ですね。

つまり、この指し方は居飛車が△7三歩型でミレニアムを目指した場合にしか使えない限定的な手法なのです。確実に使える作戦ではないので、これをミレニアム対策として用いるのは微妙なところがありますね。仮想図の作戦とは大きな違いがあるのです。

 

四間飛車 対 ミレニアム

それでは、話をまとめます。先手四間飛車で美濃囲いから[▲4六歩・▲7八銀型]に組むのは、端歩突き穴熊や急戦に対して強いことが特色です。しかし、ミレニアム問題をクリアできていない印象があり、現環境では採用するのに不安があります。

四間飛車 対 ミレニアム

ただ、[▲4六歩・▲7八銀型]は最も自然な組み方でもあるので、これが上手く行かないとなると、頭が痛いところです。こういったところに、四間飛車が下火になっている原因がありそうですね。



 

三間飛車

△6四銀型は廃れた


16局出現。相変わらずトップメタに君臨していますが、出現率は11%ほど下降しており、興隆に陰りが見て取れます。

居飛車は全ての将棋で持久戦を選んでおり、特に端歩突き穴熊を含みにした作戦が人気ですね。これに対して振り飛車は、三間ミレニアムで対抗するのが有力策の一つです。(基本図)

三間飛車ミレニアム

三間ミレニアムは左銀をどこに配置するかが考え所の一つですが、最もポピュラーなのは△6四銀型です。

これに対して居飛車は、松尾流穴熊を目指すのがよくある指し方でした。つまり、ここで▲6八銀と指す訳ですね。

三間飛車ミレニアム

ただ、居飛車は銀を引くと中央が手薄になるデメリットがあります。振り飛車はその弊害を突けば、互角以上に戦える将棋になりますね。詳細は、以下の記事をご覧くださいませ。

【三間ミレニアム VS 松尾流穴熊】
2021年4・5月合併号

 

三間飛車ミレニアム

したがって、現環境の居飛車は銀を引かない指し方を模索しています。具体的には、▲8六角と上がる手がスポットを浴びていますね。(第5図)

なお、この指し方の類例としては、第35期竜王戦5組ランキング戦 ▲石田直裕五段VS△藤倉勇樹五戦(2021.12.6)が挙げられます。

三間飛車ミレニアム

ここに角を覗いたところで、特段明確な狙いがあるようには思えません。けれども、これが見た目以上に価値の高い一着なのです。

さて、三間ミレニアムは中央から動きを見せるのが基本的なムーブです。ゆえに△5二飛は自然な一着ですが、居飛車は堂々と▲3六歩と突きます。やはり、銀を引かないことが大事ですね。(第6図)

三間飛車ミレニアム

こういった局面を迎えると、振り飛車は妙に指す手が難しい印象を受けるのではないでしょうか。攻めるなら△5五歩ですが、現状では5七に銀がいるので高い効果は期待できません。また、銀が動くと馬を作られやすくなる縛りも面倒なところでしょう。

三間飛車ミレニアム

かと言って、このままじっとしていると▲3五歩△同歩▲3八飛という要領で居飛車から仕掛けられてしまいます。

この戦型の振り飛車は、歩を持てば△9五歩▲同歩△8五桂から端を攻めるのが楽しみなのですが、現局面は▲8六角で先受けされているので、その攻め筋の威力を削がれていることが痛いですね。

このように、▲8六角の覗きは攻めにも受けにも大きなベネフィットをもたらしていることが読み取れます。

 

三間飛車ミレニアム

それでは総括に入ります。△6四銀型の三間ミレニアムには、5七の銀を引かずに▲8六角と上がって戦う姿勢が優秀です。居飛車はこの局面に誘導できれば、すでに満足と言えるでしょう。この発見は、大きな意義がありますね。

三間ミレニアムは、有力な駒組みの手段が一つ潰えてしまい、以前よりも魅力が落ちた印象を受けます。居飛車にとっては、良い風向きと言えるでしょう。

 

角交換振り飛車

先手番での採用が増える


13局出現。出現率は19.7%。じわりと増加しています。また、先後の比率がほぼ均等になっていた(先手番→6局、後手番→7局)ことも目を引きますね。前回の期間では後手番での採用が目立っていたので、これは大きな変化と言えます。

昨今の角交換振り飛車では、オープニングで如何にして手損を最小化するかが一つのテーマです。先手番の場合、初手▲7八飛を経由するのがお得と見られている指し方ですね。(基本図)

角交換振り飛車 先手

この指し方の利点としては、いつでも▲6六歩と角道を止めることが出来るので、三間飛車と角交換振り飛車を併用できる点にあります。

つまり、ここから居飛車が淡々と駒組みを行うと、以下の局面を迎えたときに振り飛車は労せず条件の良い局面を作ることが叶います。(理想図)

角交換振り飛車 先手

居飛車は端歩突き穴熊を目指すなら△4四歩ですが、その手を指してもらえると、振り飛車はデフォルトの三間と違って角道が開いた状態のまま駒組みを進めることが出来ます。よって、その進行は得をしていますね。

角交換振り飛車 先手

他には△3三角もありますが、これには▲同角成△同桂▲7七銀と進め、その後は逆棒銀を狙う要領で戦えば主導権を握れます。また、△3三角には▲7五歩も一考の余地がありますね。

角交換振り飛車 先手

このように、振り飛車は角交換振り飛車と三間飛車を併用すれば、通常の定跡形よりも得した局面を作ることが期待できるのです。

 

角交換振り飛車 先手

そういった背景があるので、居飛車としては早めに相手の態度を決めさせた方が良いでしょう。すなわち、ここで△7七角成▲同桂△4二玉と角交換振り飛車の将棋に限定させる方が、今後の駒組みが楽と言えます。(第7図)

角交換振り飛車 先手

なお、この△4二玉に代えて△8六歩と突っ掛けられる手が気になる方もいらっしゃるかもしれません。ただ、これは正しく応対すれば振り飛車満足の岐れになります。詳しい解説については、以下の記事をご覧頂けますと幸いです。

【△8六歩と突っ掛けられたときの対処法】 続きは、こちら!

 

角交換振り飛車 先手

さて、ここから振り飛車がどう駒組みを進めるかですが、何はともあれ▲8八飛と寄るのは必須ですね。

その後の構想は十人十色ではありますが、振り飛車は▲6六歩・▲6七銀型を作るのが堅実な印象があります。(第8図)

角交換振り飛車 33桂

▲7七桂型の角交換振り飛車は、どうしても桂頭に不安を抱えます。それゆえ、その弱点をきちんとケアする駒組みを選ぶ方が無難でしょう。

なお、この指し方の実例としては、第63期王位戦予選 ▲黒沢怜生六段VS△千田翔太七段戦(2021.12.10)が挙げられます。

角交換振り飛車 33桂

このあと居飛車は△6三銀型に組むことが予想されます。それを見て、▲6七銀→▲5六銀から6筋を争点にするのが方針の一例ですね。

角交換振り飛車 33桂

また、場合によっては▲6七銀→▲7五歩→▲7六銀と左辺から盛り上げるのも面白い構想になり得ます。先述した▲黒沢ー△千田戦は、それが見事に成功した将棋ではありました。

 

角交換振り飛車 先手

それでは、話をまとめます。角交換振り飛車は後手番で指されるケースが圧倒的に多かったのですが、現環境では先手番で採用する傾向が強まっています。先手番の場合は、初手▲7八飛を経由するのが最も得をしているように思いますね。

この戦型は、桂頭の不安さえケアしておけば、振り飛車の方が主導権を握りやすい将棋だと感じています。今後の先手振り飛車のエースになり得るかどうか、要注目ですね。

 

その他・相振り飛車

角道を止めない姿勢が目立つ


21局出現。なお、相振り飛車は3局でした。

対抗形では、角道を止めない振り飛車が多く指されています。特に、先手番では角道オープン向飛車の支持が高いですね。(第9図)

角道オープン向かい飛車

この局面は、角道オープン向飛車という戦型において出現しやすい形の一つです。

さて、居飛車はここからどう陣形整備を進めるかですが、大前提として自ら角道は止めたくありません。

角道オープン向かい飛車

もちろん、ここで△4四歩と止めてしまっても一局の範疇ではありますが、些か消極的なので感心しない態度です。あっさり角道を止めてしまうと、▲6七歩型を維持して駒組みを進めていた振り飛車の主張が通った印象ですね。

角道オープン向かい飛車

という訳で、居飛車はなるべく角道を止めずに戦う姿勢を選びます。具体的には、△4二金が一案ですね。(第10図)

なお、この指し方の実例としては、第93期棋聖戦二次予選 ▲杉本和陽五段VS△丸山忠久九段戦(2021.12.1)が挙げられます。

角道オープン向かい飛車

玉を固めるのであれば、居飛車は△5二金右の方が普通です。ゆえに、何だか不可解な挙動に映りますが、これは安全に△7七角成を指したいという意図があります。百聞は一見に如かず。数手ほど局面を進めると、この手の意味が分かってきます。

角道オープン向かい飛車

先手は▲4六歩が無難な手待ちですが、それから居飛車は△7七角成▲同桂△6四銀と進めます。振り飛車は▲6六銀が妥当ですが、△3三桂と跳ねておくのが争点を打ち消す組み方ですね。(第11図)

角道オープン向かい飛車

ここまで進むと、居飛車が△5二金右を指さなかった理由が見えて来ました。6一に金が居座っているので、▲7一角の筋がありません。馬を作る筋が無ければ、居飛車は△6四銀が気兼ねなく指せるという訳なのです。

角道オープン向かい飛車

振り飛車としては、ここから打開の糸口を掴めるかどうかが勝負です。もし、それが難しいのであれば、△4二金のときに▲4六歩ではない手を模索することになります。

角道オープン向かい飛車

いずれにせよ、居飛車は堅陣を作ることを進めつつ、後手番らしく仕掛けの糸口を封じる駒組みを進めてきます。それを突破することが振り飛車のテーマになりますね。基本的には、振り飛車が「どう攻めの形を作るか」を考える序盤なので、攻勢に出やすいことは確か。そう考えると、この戦法はやり甲斐のある将棋という印象を受けます。

 

それでは、話をまとめます。現環境の先手振り飛車において、角道オープン向飛車は有力な球種の一つと考えられます。端歩突き穴熊を阻止しやすいことは大きな魅力ですね。

角道オープン向かい飛車

振り飛車は膠着状態になるとまずいので、この辺りから打開できる局面をしっかり把握しておくことが大事です。先手振り飛車のエースになるかどうか、今後が楽しみですね。


お知らせ

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今回のまとめと展望

 

【端歩突き穴熊が環境を支配している】


現環境で最も注目すべき存在は、端歩突き穴熊です。

今回の期間では角道を止める振り飛車(四間・三間)の出現率がガタ落ちしていますが、それはひとえに端歩突き穴熊が猛威を振るっていることに他なりません。また、これが非常に有力なので、居飛車は急戦を採用するケースが激減しています。対三間には、それが顕著ですね。

現環境の振り飛車は、端歩突き穴熊の対策を考えるところから始めるーーー。そう表現しても過言ではないでしょう。

 

【時代はハイブリッド型?】

上記の内容と関連しますが、現環境では角交換振り飛車及び、角道を止めない振り飛車の株が上昇中です。これは、「簡単に端歩突き穴熊に組まれたくない」という意思の表れだと推察されます。

特に、先手振り飛車では、角交換系と角道遮断系のハイブリッド型の支持が高い印象があります。

角交換振り飛車 先手

例えば、初手▲7八飛のオープニングは、それを体現したものですね。この作戦が理想とする組み上がりは、端歩突き穴熊を牽制していることが読み取れます。

角道オープン向かい飛車

また、角道オープン向飛車もハイブリッド型の作戦です。この作戦は目指すべき理想形が見えにくく、それゆえ定跡化もされていないのですが、とにかく端歩突き穴熊を易々と許さないことだけは重要な指針と言えるでしょう。

現環境の振り飛車は、角道を止める振り飛車だと端歩突き穴熊に組まれやすく、単純な角交換振り飛車だと手損が気になるジレンマを抱えています。

最新戦法の事情 振り飛車

特に、主導権を取りたい先手振り飛車では、後者のデメリットは軽視できないファクターです。それゆえ、こうしたオープニングが支持を得ているように感じますね。先手中飛車が苦戦していることからも、今後はこういった作戦が主流になって行くのではないでしょうか。

 

それでは、また。ご愛読くださり、ありがとうございました!

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